4話 ページ5
「助けて下さい！」
任務でとある大手企業の重役が見てはいけないものを見てしまい半狂乱となっている、と緊急任務として私の所へやって来た。
上級の呪霊が悪さしてるのかと思ったらまさかの低級。あっという間に仕事が終わり帰ろうとしたら助けを求める女性が腕を掴んできた。
貴「それで、お話とは」
女性が落ち着いた後、空いている部屋を借りて真向かいに座る形で話が始まった。
「は、はい、実は半年前から私の周りで変な事が起きてるというか・・・・誰かにずっと見られているんです！」
貴「お察しがいいですね。確かに現在もあなたの後ろにいますよ、女性が」
伝えると女性は硬直し、小刻み震えている。
背後にいる呪霊はじっと女性の事を見下している、逃がさないように・・・。
ぱっと見だが中級だろう。
貴「あなたに向けている念は弱いです。
でもこのまま浴び続ければ引き込まれますよ」
話したと同時に背後の呪霊が私の方へ向いた。
顔を見た時、覚えのある感覚が襲ったがすぐにそれは消え、白目だけが私を捉えている。
貴「とにかくこのままでは危険ですのでこちらで対処します」
「お、お願いします」
鞄から小さな小型のナイフを出すと女性が「ヒッ！」と怯えた声を出した。
貴「安心してください、人には害が無いものです。
目を瞑って、少し頭を左下に落としてください」
女性は言われ通りにした事を確認し、ナイフのカバーを外し呪力を込め対象に振りかざすと首が飛んだ。
『險ｱ縺輔↑縺??∫ｵｶ蟇ｾ縺ｫ』
貴「？」
消える瞬間、呪霊が言葉を発した。
しかし、はっきりと聞き取れず分からぬまま姿は消えてしまった。
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作者名：黒雀 | 作成日時：2021年1月15日 17時
