ランとリンドウに祝福を・・・ (ページ3)

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第弐話ページ3

担任の声と黒板に文字が刻まれていくチョークの音が子守唄になりつつある午前。見つからないように欠伸をするとノートの上に四つ折りの紙が落ちて来た。
紙を開くと『わり、消しゴム忘れたから貸して三ツ谷』と書かれていた。
隣の席を見ると三ツ谷君が苦笑しており私はハサミで消しゴムを二つに切り、紙に『どうぞ』と書き込み渡すと。

三「サンキュ」

と小声で言われた。

三「マジで助かったわ。けど悪かったな、ちいせぇと使いにくくないか？」

貴「大丈夫、家に帰れば予備があるから」

授業が終わると真っ先に三ツ谷君がお礼を言ってきた。彼とは一年の時からクラスメイト、流石に三年間同じだと自然と仲が良くなっており、この前の席替えで隣同士になった。

三「あ、氷室って昼飯いつも購買だっけ？」

貴「うん、そうだよ」

三「ちょっと待ってろ」

三ツ谷君は教室の後ろにあるロッカーに行くと自分の荷物から何かを取り出し私の手の上に置いてきた。

三「これ、俺が作った弁当。おかず多めに作っちゃって誰にあげようか迷ってたんだ」

貴「え、三ツ谷君が作ったの？」

三「おう！味の保証は俺がする！」

自信たっぷりの彼。その姿を見た瞬間思わず笑ってしまい三ツ谷君に「なんで笑うんだよ！」と軽く頭を小突かれた。