忘れられた呪術師【呪術廻戦】 (ページ10)

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9話ページ10

真「Aは本当に人間？」

海を眺め、波の音を聞いていると真人が問いかけて来た。

貴「どうしたの急に」

真「だって、普通の人間は俺達みたいな存在がいれば阿鼻叫喚して逃げ去っていく。俺達は人間の思いから生まれてきた存在なのにね。
なのに君は恐れず逃げもしない」

貴「・・・・」

沈黙が続く。
よく考えれば何故と言う疑問が出て来る、真人の言う通り、普通だったら見えもしない存在が見えたら誰だって驚くし恐怖が生まれる。
しかし、私はその真逆だ。

貴「多分、それより嫌なものを見て来たせいかもね。
憎しみ、恨み、苦しみ、悲しみ、全てを」

『私の子供に手を出さないで！』

貴「私は人間、それに変わりはない。
けど、私という体内に宿るモノは人間じゃないのかも」

真人がにっこりと笑うと私の顔を掴んだ。
じっと見てくる、灰色に近い瞳に呆然と口を開いている自分が映る。

真「うん、Aは特別。人なのに俺達と同じ形の魂をしてる。
安心して、何かあったらすぐに助けてあげるから」

何かに没頭する子供のように真人は笑っている。
背後で扉の開く音がした、振り返ると漏瑚が立ってこちらを見ていた。

漏「A、一緒に来い。手伝って貰いたい事がある」