宿儺の呪い

42話 ページ44

虎「伏黒.......伏黒！！」





恐怖に染まり、唖然としていた伏黒だが、虎杖の声で我に返る





虎「釘崎連れてここから逃げろ！！2人がここを出るまで、俺らでこいつを食い止める！！




出たら、なんでもいいから合図してくれ！




そしたら.......俺は宿儺に変わる.......」





伏「できるわけねーだろ！特級相手に片腕で！Aが今相手できてるのは本来ありえない事なんだよ！」





虎「よく見ろって。楽しんでる.......完全になめてんだよ俺達のこと。




呪力を使わねーからってAの攻撃も受け放題.......




時間稼ぎくらいなんとかなる」





虎「だめだ！！」





虎「伏黒！








.......頼む」






少し笑みを見せる虎杖





伏黒は、何も言うことはできなかった









.








伏「っ.......！玉犬！釘崎を探せ！」





今度は黒の玉犬を出し、釘崎を探すように命じる








その頃釘崎は、大量の仮面の呪いを相手にしていたが、残りの釘は1本





絶体絶命という状況になっていた





釘「はぁ、もっといっぱい持ってくればよかったぁ.......」









.









『あ”ぁ！くそ！！』





珍しく感情を剥き出しにし、声を荒らげて叫ぶA





特級は下半身の衣類を脱ぎ捨て、身軽になり、ケタケタと笑う





虎「A！無理すんなって！」





『ﾊｧ.......ﾊｧ.......悠仁の手首も.......玉犬も.......あの3人も！！もう戻らない......！』





虎「！」









.









「「A、大好きよ.......。生きて、あなただけは。後悔しないように。」」







虎「「A！」」








病床に伏せる母と、とびっきりの笑顔で私を呼ぶ悠仁を思い浮かんだ







悠仁のじーちゃんが死んだ時、床に伏せた母と重ねた。







涙を流す悠仁を見て、子供の頃の私と重なった。









.













宿「「.......環」」








環さんが死んだ時に、宿儺がポツリと呟いたのが最後に聞こえていた。







どんな人にとっても、大切な人の死はとてもつらくて苦しいもの。







例え犯罪を犯したとしても、誰かにとっては大切な人。その命を無下に扱っていい理由は、ない









.









『っ.......命を、






なめんじゃねぇよ......』







苦しそうに、悔しそうな声でAは声をふりだした







虎「A、お前.......」

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