chapter:23 夢の手枕 ページ22
大会から暫く経つと、一時期は毎日のようにTVで流れていた俺の名前も、段々と聞こえなくなってくる。サッカー部への取材も波が引いて、やっといつも通りに戻ったけど。
流れる星達と同じように目を輝かせ、夜空を見上げたあの日から、俺を取り巻く環境は少し変わった。
神月さんという存在はあっという間に部員内で馴染んで、神月さん自身はまだ顔も名前も覚えていないのに、サッカー部のジャージを着た人にすぐ声をかけられるから大変だって笑っていた。
俺も顔を見られる度、彼女の話を求められて…悪いことだとは言わないけど、なかなか困ったものではある。
その代わりと言ってはなんだけど、俺は、永世第二高校サッカー部部長という名を引き継ぐことになった。
今はまだそのことを実感するまでに至っていないけど、本格的に練習が始まれば身を持ってその名前の重みを知ることになるんだろう。
…他人事のように考えている訳は、そんな変化気にも止めていられない程俺には予定と課題が山積みだからだ。
練習が昼までの日はその分提出物を進めたり、父さんに連れられ合宿所を訪ね、経営学やその他専門的知識を頭に叩き込んだ。
毎日一日中勉強していて集中力が切れることはまず無いけど、長距離の移動や睡眠不足から、身体的疲労に見舞われていることには気付いていた。
「あー…」
こめかみを押え、一人ぼやく。今頃晴矢や緑川達は海にでも遊びに行っているだろうか。
俺だけ残るよう父さんに言われたことに不満はない。ただ、緑川達に対しての羨ましさはやはりあった。
俺は真面目に頑張ってるのに…これじゃあ、端から見れば罰を受けてるみたいに見えるだろうな。
いや。これも父さんからの期待の現れ。弱音を吐かずに、あと半日頑張ろう。
…そんな風に自分に鞭を打ち続け、もう五日目だ。
やっと監督から貰えた一週間のオフも、そろそろ合宿で全て消えてしまう。
だけど明後日は、午前中勉強した後は自由。つまり何も予定の無い俺の唯一の夏休み。
何をするかまだ考えられていないけど、殆どの課題は終わらせたし、足りなかった分の睡眠時間でも取り戻そうかな。
ぼんやりと思い浮かべつつ、講習のテキストに向き合い直す。
コンコン
見計らったように、部屋のドアを叩く音が響いた。
「ヒロト。子ども達に作ったケーキが余ったんだけど、休憩も兼ねておやつにどうかしら？」
◇→←◇ 4/6 本日アレスの天秤放送開始！ヽ(´▽｀)ノﾜｰｲ♪←小説本編とは関係ありません
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
