☆ ページ45
「あの二人、ちゃんと話せてんのかなぁ」
「気にすることはない。大丈夫だ」
「だと良いけど…」
ロビーにあるソファに座って、何をするでもなくAを待つ。上手くやっているか不安だ。
隣に座る涼野は、何処から取り出したのか、分厚くて難しそうな本を読んでいた。日本トップの私立高校に通う人間は、こんなときも勉強は欠かせないって訳か。
「…で、君と神月さんはどういう関係だい？」
「…なんだよ急に」
何の前触れもなくこうやって話を振ってきたり、逆に急に黙り込んだり。色々頭で考えているからこそ、違うことを次々口にするんだろうけど。
バカと天才は紙一重って言うしな。でもそれが事実なら、円堂と涼野は…いや。
「…無いな」
「何が無いんだ」
「え？あ、悪い…気にするな」
「…ふん。何を考えていたかは知らんが、そうやって考えていることが口に出てしまうのは、自尊心を保つためだと言われている。ストレスでも抱えてるのか？」
「…」
お前も似たようなもんだろ。という言葉は、真面目に論破されてしまいそうだから、俺の中で留めておいた。
「…俺とAの関係を聞きたいんだろ？話戻すぞ」
「あぁ、すまない」
「まぁ…大したもんじゃない。ただの幼馴染みだよ。家も隣でさ」
「ただの幼馴染みには到底見えないがな。原因は、異性の壁を全く感じさせない距離感だ。ここに来るまでの少しの間でも、感じた」
「…Aは意外と危なっかしい奴だから。俺も、少し過保護になっているかもしれない。でも…本当にそういうんじゃないからさ」
涼野が言いたいことはよく分かる。俺だって、なれるならそんな関係になってみたい。
涼野は、そうか。とだけ言ってそれ以上俺の言葉に深く触れなかった。頭がキレるだけあって、こういうところは察しが良い。
「ヒロトも、不器用な人間でね。人との接し方をまだよく知らない。ある程度の距離をおくことで、それをカバーしているだけだ」
「…似た者同士だよ。あの二人は」
「彼はこれから、経験したことのない領域に踏み込む。…神月さんの幼馴染みとして、手を貸してやってくれ」
「…あぁ。そのつもりだ」
涼野は少し微笑むと視線をまた本に戻す。けど、すぐにその目は、ギロリと彼の正面に動いた。
その視線を追った先には、
「おや。また会いましたね」
「…！」
「…父さん」
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
