chapter:15 夢から覚めて ページ42
「…はぁ…」
慣れない病室、静かで誰もいない…面白味の無い空間。こんな場所で、たった一人で数時間を過ごして…もう気が滅入りそうだ。
少しでも暇を潰せるものがあれば良いんだけど…テレビも特に面白くないし、良かったら読んでと渡された本も俺の好みではなかった。
せっかく勉強の呪縛からとかれたのに、結局こうして時間が出来ると、参考書なんかを開きたくなる。…今は勿論、持ってないんだけど。
立ち上がってみたり、窓の外を覗いてみたり。ベッドに深く潜ってみたり、ナースコールを押そうとして、やめたり。
「…暇だなぁ」
やっぱり、ベッドでゆっくり眠っているのが無難かな。起きてなきゃいけないわけじゃないし。むしろ、今日は夜更かしなんてせずに、いつ寝ても良いんだから。
「…うん、そうしよう」
次の点滴の時間まで寝ていよう。そう思って、俺は頭の先まで布団に埋めてそっと目を閉じた。
…このまま寝ているふりを続けたら、父さん達が来てもやり過ごせるだろうか。
目を閉じても、消えない、むしろさらに鮮明に浮かんでくる父さんの顔。やっと光に溢れ始めた俺の毎日を、闇で多い尽くすような。例えるなら、悪夢。
「っ…神月さん…」
すぐに彼女の名前が口に出てしまう。その笑顔にすがってしまう弱音だけど…今は、ただの独り言だと許して欲しい。
ｺﾝｺﾝ
「…！」
突然鳴ったドアを叩く音が、俺の心臓を跳ね上がらせた。勢いよく起き上がり、焦ったような情けない返事をする。
「は、はい…」
「ロビーに、基山君の面会にいらっしゃっている方がお見えです。お部屋にお呼びしても宜しいでしょうか？」
「…面会？」
まさか、本当に父さんが…。これ以上俺を追い詰めてどうする気なんだ、父さん。
「…」
暫く俺が黙っていると、あっ、と思い出したような声が聞こえてくる。
「お名前は、涼野風介さんと…」
「…風介？」
「はい」
「本当ですかっ…？」
「はい、確かにそうおっしゃってました」
少し笑ったような声が、ドアを挟んで籠りがちに聞こえた。風介が来ている。それは、つまり…そういうことで良いんだよね？
俺はベッドから下りて、それから緊張した手でそっとドアを開いた。
「あの…」
「はい？」
「…俺から会いに行っても、良いですか？」
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
