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スタジアム前のバス停は、すっかり人気がなくなって味気ない。静かな空気が、堪えようとした感情を全部吐き出させようとする。
ベンチに座って次のバスを待つ時間が、今の私にとっては苦痛でしかなかった。
「…吉良さんが言ってただけで、基山はきっとまた話してくれる」
「…うん」
「そんなに、考え込むこと無いさ…な？」
隣に居る一郎太の声に頷いても、自分の気持ちに嘘はつけない。基山君の顔を思い出すだけで、また目の奥が熱くなる。
基山君が居てくれたから、今の私がある。基山君が支えてくれたから、笑ってこれた。
私を、悪夢から解き放ってくれたのは…彼だった。だから、失ってしまったら。きっとまた私は闇に呑まれてしまう。
一郎太が居てくれても、守や照美くんが支えてくれたとしても。基山君が居ない毎日は、きっと霞んで前も見えない。
「…メッセージ、送ってみたらどうだ？気付いたときに返してくれるかもしれないぞ」
「そう、だね…。そうしてみる…」
鞄の奥にしまっていたスマホを取り出す。基山君が褒めてくれたカバー…ちょっとしたことでも、私にとっては大切な想い出。また涙が溢れてくる。
「…あ」
画面を点灯させると、不在着信の文字。そこには、「基山君」と登録された電話番号。緊張しながら電話帳に登録したことを思い出した。
「どうした？」
「電話、…基山君から…丁度、30分位前に…」
「本当か？…留守電は？」
「無い、けど…これ、多分倒れた後だよね…？」
なら、目を覚まして…わざわざ私に電話を？そんなこと、あり得るだろうか。
それとも関係者の人が、誰かに連絡しなきゃって基山君のスマホを使って電話…なんて、もっとあり得ない。
「今、病院かな…？」
「その可能性はあるな。かけ直すのもありだとは思うけど…」
そう言っている内に、駅までのバスが道路からゆっくりと曲がって入ってくるのが見えた。名残惜しいし、帰るような気分でもないけど…。私はゆっくりと立ち上がった。
「いいのか？」
「…うん。落ち着いてから、電話してみる」
そっか。と、一郎太は私の言葉に頷いてくれる。ポンポン肩を叩いてくれた手は、やっぱり温かい。
「…神月Aさん」
「え…？」
その温もりを絶ち切るかのように、突然。冷たい指が、私の手首を包み込んだ。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
