◇ ページ39
救護室に戻ると、車が到着したからと救護員さんに連れられ、また部屋から出ることになった。
正直調子はもう取り戻しているけど、時折足元がふらついて躓いてしまう。視界も霞むし…本当に俺の体は、限界を迎えていたみたいだ。
「多分、今日一日は入院することになると思う。親御さんと学校にも連絡するから、担当の人に連絡先を言うようにね」
「…はい」
車に乗せてもらってからは早かった。病院に着いたら、すぐ検査を受けて色々な診察室を回った。
一応先生から原因や身体の状態を聞かされた。簡単に言えば、身体疲労と精神疲労、どちらともが重なったせいで、肉体と神経系に失調をきたし意識が飛んでしまったと言うことらしい。
栄養失調の傾向も見られたらしく、点滴を打ってやっぱり一日病院で様子を見ることになった。俺が思っているよりもずっと、ギリギリの状態だったらしい。
「それにしても、ここまで自分を追い込むとは…サッカー選手も大変だねぇ」
「今回はテストもあったので…」
「家族の方は来られていないんだね？」
「はい…多分、後で来ると思います」
父さんの顔が浮かぶ。病室に入ってきて、情けないと首を振る姿が容易に想像できた。
「そうか。連絡はもうしておいたから。それじゃあ、病室に移動しようか。君…」
「はい。では私がご案内しますね」
言われるがまま、看護師の方に付いて行く。まさか俺がこんな病院にお世話になるなんて、思いもしなかった。
エレベーターで上の階に上がると、ドラマで見るような、病室の並んだ真っ白な廊下が広がっていた。わぁ、と思わず声を上げる。
「ふふ、入院は初めてなんですか？」
「あ…はい。だからあまり見慣れなくて…」
「ご健康な証拠ですね。…こちらが基山君の病室です。使われるのは基山君お一人だけなので、ゆっくりしてくださいね」
静かに引き戸が開くと、普段では見慣れない機械のようなベッドが二つ、並んでいた。疲労で倒れただけの俺がこんなベッド使って良いのかな…と思ってしまうほど。
病室という慣れない空間だからか、ベッドの脇に置かれた俺のサッカーバッグが、妙に浮いて見える。一人とはいえ、何だか落ち着かないな。
「…」
神月さん。本当に、来てくれるかな。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
