◇ ページ29
突然の出来事だった。
自分でも訳がわからない。自分でも驚くほど自然と足の力が抜けて、俺はゆっくりとその場に崩れ落ちた。それと同時に、試合終了のホイッスルが鳴る。
「ヒロトッ…？！」
「基山っ、大丈夫か？！」
「ヒロト！！」
皆が俺の名前を呼んでいる。俺はそれにも返事が出来ず、横たわったまま駆け寄ってくる皆を見ていた。
さっきまで会場を包んでいた歓声が消え、フィールドは恐ろしいほどに静まり返っていた。恥ずかしいのか、悔しいのか…何とも例えられない気持ちが、俺の中で渦巻く。
「ヒロト、立てる…？」
「だから、大丈夫かって声かけてやったのに…！」
緑川と晴矢が肩を貸してくれたけど、段々と俺の意識は薄れていく。上手く立てずに、全体重を二人にかけていた。
ダメなのに…こんなんじゃ、次の試合に出られない。勝たなきゃ、いけないのに…。
頭が痛い。視界がぼやけて、手にも足にも力が入らない。
「…神月、さん…」
ごめん。俺、頑張ったつもりなんだけど、な…。もう、負けちゃいそうだ…。
＿＿基山君っ…！！
神月さんが、俺を呼んでくれてる。そんな気がして、俺はゆっくりと目を閉じた。
君の声を聞くと、とても安心する…。
◇
＿＿＿
＿＿
＿
＿＿＿あれ…久しぶりの、夢。
ふんわりとした空気、手から伝わる彼女の温もり。細い腕をたどっていけば、にこりと笑う神月さんが居る。いつも通りの、夢。
少し違ったのは、彼女の優しい香りがしたこと。とても心地良い空気が俺を包み込んだ。
それから、いつもよりずっと現実味が薄くて、いつも以上に夢らしい夢のような気がした。
ずっと、このままでいられたらな。そう願ってしまうほどに。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
