◇ ページ27
「今日も頑張ってよね、ヒロト！」
「あぁ。勝利に繋がるよう、ゴールを狙っていくよ」
ベンチでそう言葉を交わし、俺はその場に留まる緑川にガッツポーズを送る。
先にポジションで待っていた晴矢は、走ってくる俺を見るなりニヤリと笑って見せた。
「あいつ、今日はベンチスタートかよ」
「仕方ないさ。まずはこのメンバーで雷門の動きを見ないといけないからね。…後半はきっと交代が入るよ」
「そーなると良いよなっ。…お前も、神月サンが見てるとこでドジ踏むなよな」
「余計なお世話…」
晴矢の言葉に溜め息が漏れるけど、俺はしっかりとゴールを見据えていた。そこには、オレンジ色のバンダナをした、円堂君が力強く立っている。
パチリと目が合うと、俺が逸らす前に彼はニカッと笑ってくれる。それは、大会の空気なんて吹き飛ばすような、さっき話したときと変わらない、むしろもっと楽しそうな笑顔。
こんなにワクワクする試合、久しぶりだ。
確かに俺は勝たなきゃならない。勝って、父さんに認めてもらわなきゃならない。
それでも…この試合は、きっと楽しくなるだろうと俺は確信していた。
永世第二への歓声が、そんな俺の頭をグラグラと揺らすように響き渡っている。…いつもこんなにうるさかったっけ。
「…おいヒロト、お前顔色悪いぞ？」
意識を集中させようと、顔をあげ深呼吸をしようとしたとき、晴矢が唐突にそう声をかけてきた。眉間にシワを寄せて、こっちに寄ってくる。
「え…そんなことないと思うよ」
「いや、いつも以上に悪いぜ」
「…馬鹿にするために言ったの？」
「違ぇよ。本当に大丈夫なのかよ…？」
俺が思っているよりも、晴矢は深刻そうな表情で俺を見ていた。だけど、俺は躊躇うことなく首を縦に振って、彼にポジションに戻るよう言う。
「もうすぐ試合開始だ。俺は大丈夫だから、ほら」
渋々といった様子で、晴矢は戻っていく。キャプテンからの視線を感じて、俺は小さく頷いた。
大丈夫、この試合だって勝てる。俺が点を取りに行くんだ。
そう自分に言い聞かせ、もう一度ゴールに目を向けたとき、何故か円堂君の顔が、ぐにゃりと歪んで見えた。
ﾋﾟｰｯ‼
『さぁっ、試合開始です！！』
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
