☆ ページ26
「はぁ…ったく…！」
…どうして、何処もかしこも売切れなんだよ！！
今日はいつも以上に人が入ることなんて、簡単に想像できるだろっ。すぐに新しいのを足せるように、準備くらいしとけよな…！
心の中で悪態を付きつつ、やっと見つけた自販機で、取り出し口からAと俺の分のジュースを手に取る。
「…はぁ」
暑いし、ここから客席のある方までまた歩いて戻らないといけないし、そのつもりは無くても溜め息は零れてしまう。
この通路の先は多分特別席だから、人も少ない。俺は場違いだしさっさと戻ろう。
その時だった。
「お父様は、今のヒロトをどう思うんですか」
女性の話し声。凛としたその声は、確かにこちらに近付いてきていた。
何となくここに居てはいけない気がして、俺は考える間もなく、もと来た方へと足を進めた。
「今すぐにでも永世第一に編入させるべきです」
「それも考えています。しかし、実行すべきかどうかは、この大会の結果に委ねることにしました」
「っどうして…！そんな遠回しなことをするよりも、お父様が彼を説得すればっ…」
俺は足を止めて振り返る。どこの誰かは知らないけど…今話していることはどう考えても。
「最近のヒロトは、勉強やサッカーよりも神月Aに夢中ですっ…！放っておくつもりですか？」
基山に関係することだろう。
俺は観客席に下りる階段まで向かい、響いてくる声に耳を澄ませた。
基山に加えてAの名前が出てきた以上、この声の主が何者なのか知る必要がある。少なくとも、顔だけでも確認しなければ。
「…」
息を潜めて、聞こえてくる二つの声に集中する。
「この大会に負ければ、ヒロトも諦めるでしょう」
「ですが、勝てばっ…！」
「手は打っています」
「なっ…手、って…」
「ヒロトは、次の試合で必ず負けます」
「…？！」
その言葉に、思わず声が出そうになる。ハッと口元を押さえ、呼吸を整えてから、俺はまたその続きに耳を澄ませた。
「…どういうことですか、お父様…？」
掠れた、その声。同時に俺の視界に入った姿は…、
『間もなく、雷門高等学校 対 永世第二高等学校の準決勝を開始いたします』
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
