☆ ページ22
ケチーと駄々をこねる円堂に呆れつつ、リビングにいる母さんに声をかける。
「母さ…」
「聞こえてたわよ一郎太っ。何が食べたいかAに聞いてあげて！」
「…Aー、何食べたい？」
誰より乗り気な母さんに背を向け、今度はAを呼ぶ。すると、Aはふるふると首を横に振って、眉を下げた。
「そんなっ。特別なことなんていいよ。皆がそうやって褒めてくれるだけで…もう、十分嬉しい」
「そう言わずに、A。たまには一生懸命頑張ったご褒美くらい、自分にあげても良いんじゃない？」
母さんは廊下に出てくると、Aにそう笑いかける。多分、母さんは母さんなりに、Aを喜ばせてあげたいんだと思う。
辛い思いをしても、Aは少しも表に出さないから。せめて、少しの間でもそれを忘れさせたいって。
「…今日くらい、甘えろよ。な？」
でも…と困ったように俺の顔を見るAに、俺も同じように微笑む。
「母さん、普段男ばっかの家にAが来て嬉しいんだ。Aのこと可愛がりたいんだよ。…わがまま聞いてやってくれないか？」
「…えへへ。そこまで言われると、断れないなー…」
「じゃ、決まりね。守君も一緒に食べていくと良いわ。明後日は試合だし、勝つためにはスタミナ付けないとね！」
「マジ？！ありがとっ、風丸の母ちゃん！」
「ケーキ買ってきてって父さんに電話するから、何食べたいかそれまでに決めてちょうだいねっ」
そう言ってまたリビングに母さんが戻ると、Aがそっと声を出す。
「嬉しいな…こうやって、皆が一緒に喜んでくれるの」
円堂は楽しそうに笑い返していたけど、俺にはAのその笑顔に、少し引き吊った色が見えた。
「…A」
すぐに何かあったことを感じ取れるのは、もう特技みたいなものかもしれない。
「あいつが暇なら、基山でも呼んだらどうだ？」
「え…えへへ、駄目だよ。もう今頃家に着いてるだろうし。…でも、今度は基山君も呼んで、皆でご飯食べたいね」
「俺も基山に会ってみたいなーっ、そん時は俺も呼べよなっ！」
「お前、明後日会うだろ」
学校でのことなんて忘れてさ。今日は、頑張ってる自分を褒めてあげろよ。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
