◇ ページ16
俺はすぐに神月さんの元へ駆け寄った。何度も神月さんの名前を呼んで、柔らかく笑う彼女の前に立つ。
「学年順位、見た？」
「うん。基山君の名前いっぱいで、ビックリしちゃった」
おめでとう、という神月さんの声に、俺は驚くほど素直に感謝ができた。他の子に言われたときは、妙につっかえて言えなかったのに。
「ありがとう。神月さんが一緒に勉強してくれたからだよ」
「えっ…そんな。基山君が一生懸命頑張ったから…！」
「頑張れたのは、神月さんか居たからだ」
「…基山君」
神月さんのピンク色の唇が震えて、彼女の顔から笑顔が消える。ここが教室じゃなかったら、その手をギュッと握りしめられるのに。
「神月さんは、俺と一緒に頑張ってくれた。だから、俺達の名前が隣に並ぶことが出来たんだよ。…ありがとう。俺、すごく嬉しかった」
「…えへへっ。私も…すごく、嬉しかったよ…」
唇を噛んで、クラスの皆を気にするように俯くと、神月さんは溢れるものを堪えるような小さい声をあげた。
丁度そこに、次の授業の教師が教室に入ってくる。俺は良い案を思い付いて、その先生のところへと足を進めた。
「先生、こんにちは」
「あぁ、基山君。もう授業が始まるから席につきなさい」
にっこり笑う先生。他の生徒には声を荒らげるのに、俺を見るなりこの顔だ。
優等生の何よりの特権は、先生全員を味方に付けられることだと思う。
「神月さん、あまり調子が良くないみたいで…保健室に連れていってあげても良いですか？」
「今から？でも授業も始まるし…彼女一人で行けるんじゃないかしら？」
「実は、勉強の時、神月さんがずっと付き合ってくれて…俺が無理させてしまったから、体調を崩してしまったんだと思うんです。だから…」
少し間を置いて、神月さんの方に視線を向ける。
「保健室への付き添いだけでも、させてくれませんか？すぐ帰ってきます」
あくまで下の立場から、丁寧な言葉遣いで頭を下げれば、先生はすぐに笑って許してくれるものだ。
「…分かりました。貴方も彼女も、今回のテストいつも以上に頑張っていたし。…じゃあ、神月さんのこと頼むわね」
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
