◇ ページ15
「えっ、神月ちゃん二位じゃん！すごーいねっ、ヒロト！」
「…」
「ヒロト…？」
「…神月さん、何処に居るかな」
「は？」
俺は振り返って、周りを見渡した。とは言っても、学年の生徒全員が集まってくるのだから、殆ど何も見えはしないけど。
俺は人と人の間を抜け、神月さんの綺麗な白い髪を探した。彼女のことなら、この人混みの中からだって見つけ出せる自信があったから。
誰よりも目を引く肌。可愛らしい大きな目。いつもほんのり色付いている唇。誰よりも制服の似合うその細身の綺麗な体。
はっきりとそれが目に浮かんで、俺はぐるぐると辺りを見回す。
「ヒロト、早く戻って休もう？疲れてるんだからさ…」
「俺、今神月さんに会いたいんだ」
「教室に戻ったら後から会えるじゃん！ここで転んだりしたら皆に踏みつけられちゃうし、ね？」
緑川は俺の腰に手を回して支えながら階段を下りる。俺も半分強制的に教室に戻った。勿論、まだ誰も教室には帰ってきていない。
「ほら、今はゆっくり休もう？なんなら保健室まで連れていくし」
「…ありがとう。でも大丈夫だよ」
自分の席に座り、体の力をぐったりと抜いてみる。今まで伸ばしっぱなしだった背筋が、ふにゃりと柔らかくなるみたいだ。
神月さんは今頃順位を見て喜んでいるかな。帰ってきたら、おめでとうとありがとう…ちゃんと言わなきゃな。
俺が頑張るならって、隣でずっと勉強し続けてくれていたんだ。一位になれたのだって、神月さんが一緒に居てくれたからっていうのも少なからずある。
ここまで必死になってるのだって、神月さんのことを考えているからだし。
「あっ基山君、全教科一位だったんでしょっ？本当すごーいっ」
と、教室に帰ってきた女の子達が笑いながら俺の方に歩いてきた。
「私も、勉強教えて欲しいなぁ」
「うんうんっ。だって神月さん、二位だったんでしょ？ずーっと基山君と居たもんね…？だから二位になったんだよ」
「…俺じゃない。神月さんの力だよ」
俺がそう返すと、優しいね〜、とまた笑い出す。視線を隣に移すと、緑川が何とも言えない顔で彼女たちを見ていた。目が合うと苦笑いを浮かべ頬を掻く。
もう、そんなのどうでもいい。早く神月さんが帰ってこないか。それだけを考えていよう。
…彼女は、昼休みの終わるギリギリ、一番最後に返ってきた。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
