○ ページ23
「…一郎太」
誰も居ない教室で一人、溜め息をつく。スマホのボタンを押し、一郎太とのトーク画面を暗転させた。
結局何も返事が返ってこないまま、放課後になってしまった。
別に、一郎太とは連絡を取り合わなくてもすぐ話せるし、普段からあまりメッセージは送らないけど。
連絡が遅くて、こんなにも不安だったことがあったかな。こんなに心細いことがあったかな。
カバンにスマホを入れて、部活に行こうと立ち上がったときだった。
ｶﾞﾗｯ
「やっぱりここに居た、神月さん」
「…あ、」
「ずっとヒロト君と居るから、いつ声かけるか探ってたんだよねー」
「痛い目見なきゃ分からないんだ？」
基山君に近付かないようにと釘を刺してきた女子生徒達が、扉にもたれて私を睨んでいた。ジリジリと近寄ってくる彼女達に、震えが止まらなくなる。
ダメだ、逃げなきゃ。また基山君と話せなくなるのは嫌だ。
鞄を抱えて、女子生徒に背を向け後ろの扉から出ようとする。
「…嬉しい？基山君に守ってあげるなんて言われて」
「え…」
「笑ってんの？基山君に振り向いてもらえない私達のこと」
振り返ると、腕を組んで見下すように私を見る茶髪の女の子が、すぐそこに立っていた。
今すぐにでも殴られそうなほど、殺気が溢れている。
「そんなこと無いよっ…」
「じゃあ何であんた、ヒロト君以外の男子と一緒に大会来てたのよっ！！」
「っ、痛いよ…！」
「見られてないとでも思った？！」
髪を引っ張られて、思わず転びそうになる。そんな私を他所に、全員が集まって私を取り囲む。
「あんたの知り合いか知んないけど、あの人基山君の胸ぐら掴んで乱暴してたんだからっ…そいつのせいで基山君が怪我したりしたらどうするつもり？！」
「っな…何の話…っ…？」
「とぼけないで、神月A！あんたの連れよ…あんたと一緒に、最前列に座ってた奴っ！！」
「…え？」
…一郎太が？基山君に？
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狩間篤花(プロフ) - 夜見さん» コメントありがとうございます(^^)楽しんでいただけているみたいで、本当にうれしいです(°▽°)これからも頑張ります！ (2017年6月3日 18時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
夜見(プロフ) - この作品とっても面白いです、何度も読んでます.....！更新頑張ってください！ (2017年5月30日 23時) (レス) id: 101aec839b (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 凪沙さん» コメントありがとうございます(^^)そんな風に言っていただけるなんて…！これからも面白いと思っていただけるような作品を作っていきたいと思います！(°▽°) (2017年5月30日 18時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - ヒロトオチということで読んでみたのですが…とてつもなく面白かったです((こんな文才が欲しいという尊敬もあるし、ヒロトのちょっとした不器用さとかみんなのキャラとか表現の仕方とか…それにストーリーも面白くてつい、一気読みしてしまいました！ (2017年5月29日 20時) (レス) id: 38003636ff (このIDを非表示/違反報告)
舞優(プロフ) - 狩間篤花さん» はいっ！頑張ってくださいぃぃぃ！ (2017年5月10日 22時) (携帯から) (レス) id: 7761e1fb5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年5月4日 19時
