◇ ページ19
「じゃあ、やっぱり神月さんは星が好きなんだね？」
「うん。最近は空気が澄んでるから星が見やすいって言っていたよ」
神月さんの話は、昼休みまで持ち越された。緑川と晴矢に一言言って、アフロディの教室でお昼を食べている訳だけど。
彼の背後にある物が、どうしても気になって仕方がない。
「…あのさ」
「どうしたの？」
「その大量のお菓子は…何？」
「あぁ、これね」
彼の机の上には、ラッピングされたクッキーやらチョコレートやらが大量に入った紙袋が置かれていた。
今日は彼の誕生日でも、勿論バレンタインでもない。アフロディはその袋を見ながら微笑む。
「僕が甘いものが好きだって話をしたら、クラスの女の子達が作ってきてくれたんだよ」
「それ全部？」
「うん。優しいよね、皆」
君もどう？と彼は可愛い袋に包まれた袋を俺に差し出す。
小さなカップケーキが二つ入っていて、俺はお弁当を机に置いてそれをそっと受け取った。
「いいの、俺がもらっても？」
「勿論さ。プリンスに食べてもらえるなら彼女達も喜ぶよ」
アフロディにそう呼ばれるのは不思議と嫌ではない。実際、彼も俺と同じような立ち位置にいるし。
俺の気持ちを理解してくれているからこそ、何とも思わないのかも。
「アフロディは嫌とか思わないの？こんなに貰ったら困るだろうに」
「確かにそうだけど。でも、僕のことを考えてしてくれたんだと思ったら、嬉しいなって」
「本当に優しいね、アフロディは」
「ふふ、君だってそうだろう？こうして女の子からプレゼントを渡されたら、ちゃんと受け取ってあげるのは分かっているよ」
「それは、断るのが申し訳なくて…」
「それも立派な優しさだよ。誰も傷付けたくないっていう、君の素敵な思いさ」
アフロディの口調はとても柔らかいものなのに、その言葉には他の人には無い説得力がある。不思議だ。
「だけど君には、その怯えを打ち壊す勇気も必要だと思う」
「…うん」
「強引さもたまには必要ってことさ。Aちゃんに対してもね」
「な…何で神月さんを繋げてくるのっ」
「女の子は、アタックに弱かったりもするものだから。仲良くなるためには、殻を破ってみるのもありだよ」
ふふふ、と楽しそうに笑いながら、アフロディは俺の肩を優しく叩く。
「期待しているよ。恋仲になることもね」
「余計なお世話だよ…！」
ラッキーカラー
あずきいろ
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狩間篤花(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます(°▽°)世界観としては、単眼のセレーネの平行世界…という設定になっていますので、この先の展開もお楽しみに…(^○^) (2017年4月5日 7時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 単眼のセレーネから来ました!アレスの天秤を舞台にした作品…！展開が楽しみです!にしても神月ちゃんが出てくるとは…！ (2017年4月4日 20時) (レス) id: f20ddfb271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年4月3日 22時
