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眠り姫 (14) ページ30

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「おかえりなさいませ、プロフェッサー」
「ただいま」
このお手伝いアンドロイドを見たら、伊野尾はどんな反応を示すのだろうと、高木は長いこと自分と生活を共にしているアンドロイドの顔を見た。
「…どうかなさいましたか」
じっと見つめられていることに気付き、お手伝いアンドロイドが高木の顔を覗き込んでくる。 そのお手伝いアンドロイドの外見は伊野尾慧本人を模して作られていた。
「いや、何でもない」
基本的にひとりの人間に1台存在するお手伝いアンドロイドのシステムを現在の形にまでバージョンアップさせたのは伊野尾だった。性格の傾向や性別、体格・顔の造作に至る細かい設定をマスターと呼ばれる使用者が変えることが出来る…もちろん標準タイプという細かい設定いらずのタイプもある…ように大きく仕様が変更になったのは、伊野尾のおかげである。
「なあ」
「はい」
「コールドスリープで眠った人間に何らかの障害が起こる確率と、スペースシャトルの乗務員が宇宙で事故に合う確立はどっちが高いと思う?」
伊野尾の顔をしたお手伝いアンドロイドは真剣な顔をして考え込んだ…いや、データベースにアクセスをして計算をするつもりだったのだ。
「…そのような事例はデータベースには存在しません、プロフェッサー」
高木は声を出して笑った。
「そりゃそうだろうな。でも、データは存在しないわけじゃない。ただ、お前ではアクセスは出来ないようになっている」
「では、計算できかねます」
「…そうだな」
高木は自嘲的な笑みを浮かべ、いつものようにデスクの前の椅子に座り、コーヒーを頼むと言った。




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ひなた(プロフ) - はじめまして。コメントお邪魔します。お話がそろそろ終わりに近づいてきたようで早く結末が読みたい反面、まだずっと読んでいたい、そんな葛藤と戦ってます。すてきなやぶいのありがとうございます。これからも楽しみにしています! (2017年5月6日 0時) (レス) id: 85d71dbfbe (このIDを非表示/違反報告)
浩鈴(プロフ) - Kさん» こんにちは!コメントありがとうございます(*^^*) GW中はコンスタントに更新出来ると思いますのでよろしくおねがいします。 (2017年5月2日 11時) (レス) id: 7e4fbd94f2 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 以前一度コメントを残した者です^^更新分を仕事の前に読んでしまって、引き込まれすぎて「あぁ、、どうしよう( ; _ ; )」という気持ちになってしまいました笑 続きも楽しみに待っています^^ (2017年5月2日 10時) (レス) id: f654da7d4d (このIDを非表示/違反報告)
浩鈴(プロフ) - ゆうみさん» はじめまして!ありがとうございます。 コメント励みになります(*^^*) 半分は越えた…かな?まだまだ続きますのでよろしくお願いします! (2017年4月30日 14時) (レス) id: 7e4fbd94f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - 物語に引き込まれるようにどんどん読み進められます。とても面白いです!更新頑張ってください! (2017年4月30日 14時) (レス) id: c3179f3c1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浩鈴 | 作成日時:2017年4月13日 0時

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