short stories

dawn (前) ページ14

次が長いので、ちょっと短いやぶいのをひとつ。

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暑い。
寝苦しい蒸し暑さで目が覚める。
ああ…この季節の湿度温度の変化の激しさってすごくだるくなるよね。
エアコン付けたい…まだ早いか？いや、まだフィルター清掃してなかったな…そりゃダメだ。


去年も忙しくてなかなか掃除出来なくて大変だったんだよ…


意識はまだ夢と現実の境目を彷徨っていて。
手をぱたぱたとさせて、シーツがウチのものじゃないことを無意識に確認する。
…ああ、そうだっけ。
薮のところに泊まったんだ。


俺が身動きしたからか、背後から腕が伸びてきてぎゅっと抱きしめられた。
肌に触れた手の平が、ひんやりとしていた。


薮が俺の首筋に顔を埋めてきて、寝息がかかってくすぐったい。
背中にぴったりとくっついてくる薮の体温が俺より明らかに低くて心地良い。
昨日って…ああ、薮の友達の誕生日パーティーだって引き摺られて行ったんだ…行きたくなかったけど。そうしたら案外楽しくてものすごい飲んだんだっけ。珍しくべろべろになった俺を薮が連れて帰ってくれたんだ。
で、ここに帰ってきて、それで俺が無理やりシようって言い出して、そのまま雪崩れ込んで、終わったら即寝ってヤツ。


今、何時だろう？
帰ってきたのはそんなに遅くはなかったはず。Hもあっという間に果ててしまったから、割合眠った方だと思う。うん、すごく熟睡できたような気がする。


遮光カーテンがぴっちり閉まっているから、外が明るいかどうかもわからない…そろそろ起きようかなあとは思ったけど、薮にしっかり抱きしめられていて、起こしちゃ悪いかなと思ってしまって。
今日は何だっけ…ああ、午後から収録だったかな。


こうしていると、２人きりで世界から隔絶されているような気がする。それは淋しいっていうんじゃなくて。

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