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それから、サッカーをしている
広臣くんを見るのはあたしの日課になっていた。
3年になると同じクラスになれた。
私の性格上、話すことは1回もなかったけれど
遠くから見ているだけで十分だった。
私が遅刻した日。
なるべく他学年の教室の前を通りたくなくて
わざわざ空き部教室の多い階まで遠回りをした。
すると聴こえてきた歌声。
直ぐにわかった。
EXILE の歌だと。
" 少し見るだけ " と、そう心に言い聞かせ
1つの空き教室を覗く。
歌っていたのは 広臣くん だった。
あたしはこの時から貴方のファンだったの。
広臣くんは、本当に仲良い人の前でしか
歌を歌わない って聞いたことがある。
カラオケに行っても歌わずにのっているだけらしい。
ねぇ、私が貴方の1番のファンだって自慢していい?
少しの間聴き惚れているとチャイムが鳴り
現実に引き戻される。
広臣くんに気づかれる前に私は急いで教室に向かった。
結局、卒業式までなにも起こらず
広臣くんとは1回も話さないまま終わった。
私の初恋。
いい思い出として心に閉まっておこう。
と、そう決めた。
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作者名:ましゅまる | 作成日時:2019年8月16日 23時