嫌われ者。4【青葉城西】

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京「お前」




『は、はい？』






脳内で1人反省会を開いていると、唐突に声をかけられる。







京「お前はなんで青城に入ったんだよ？」






『え？なんですか急に…？』








そんな事を聞いてくる京谷さんに私は盛大に首を傾げた。





ここ何日か、練習に付き合っているが京谷さんがバレー以外の事で私に話しかけてくるのは始めただった。







京「いいから答えろ。」





『いや、別になんでって言われても…』




京「…チッ。理由もねぇで入ったのか？クソつまんねぇ。」






京谷さんが見るからにイラッとしたように顔をしかめた。






『あははっ…
聞いても面白くないですよ？』





迫力があるその顔も、何日も目にしていれば慣れるというもので私はあっけらかんに笑って見せた。







京「言えや。」






なぜそんな事を聞いてくるのか。






思考回路はさっぱり読めないけど、別に隠すほどの理由もない。




私はかいつまんで伝える。








『私、中学の時に宮城県予選の決勝で、岩泉さんのプレーみて凄いかっこいいなって思って…』







京「…」








『まぁ、一目惚れです。』







何も言わない京谷さんに、最後笑ってそう付け足しておいた。




ミーハーに見えるかもしれない。




この人の為にだとか、近くで見たくてだとか、そう言った方がいいのだろうが、





それはバレーが出来なくなった自分を勝手に投影してるだけだ。






だったら、ただ「岩泉さんが好きだから」という理由の方が完結でいて簡単だ。








別に嘘じゃないし。

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