嫌われ者。3【青葉城西】

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菅「ひっさしぶりにやると楽しいなぁ！！」


『私も楽しかったです！』



あの後、私たちは散々ゲームセンターで遊んで、時刻は気がつけば20時になろうかという頃だった。


すっかり暗くなった空の下、頼りない街灯が照らす道を私と菅原さんは肩を並べて歩く。


雨は止むどころか激しさを増していて傘に雨粒が当たって弾ける。


遠くでは雷の音が轟いていた。


菅「たまには息抜きも必要だべ。」


『そうですね。ストレス発散できました…』


そんな沈むような天気の中、私たちはそぐわない程明るい会話を弾ませる。


今日は、久しぶりに何も考えず笑えているような気がした。


たまに菅原さんが他校の先輩だなんて忘れてしまうぐらい、楽しくて心地良くて、この時間が続けばいいなんて、そんな事を思った。




菅「にしても、雷凄いなぁ…」



菅原さんが少し空を見上げて言った。



『ずっとゴロゴロいってますね…』



その空にはたまに稲妻が走っているのが映っていた。


菅「あれだよな、雷の音ってちょっと不安になるよな」

『あ、分かります。』



他愛もない会話。


それが妙に落ち着く。






菅「…思ったけど、上原ちゃんって凄い喋りやすいよな！」



菅原さんが傘越しにこちらを伺いながら言った。



『そうですか？』



私はその言葉にちょっと首を傾げた。


菅「うん。なんか、一緒にいて居心地いい。」




『私も、菅原さんと一緒にいるのは楽しいですよ？

なんか、たまに先輩って事忘れちゃいます。』




菅「あれだべ！気が合うってやつだべ！！」




菅原さんが無邪気にそんな事を言った。


こういうところが凄く幼く見えるんだよなぁ…この人。




『そうですね！』





なんて、今日何度目かの失礼な事を思った。

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