嫌われ者。3【青葉城西】

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松「…」




『じゃぁ、職員室に行くので。
失礼します。』



私はそう言ってそそくさと部室を退室しようと、松川さんの背中を横切って出口に足を運ぶ。


でもドアノブに手をかけた時、背中に声がかかった。





松「なんか元気ない？」





ドアノブを握る手が止まる。


今この部室には私と松川さんしかいない。


だからそれは、確かに私に言われた言葉だった。






『…そう見えますか？』





私は振り向かずにドアの方を見たまま言った。




松「見えるよ。俺には。」




その声に揺らぎはない。


まるで確信しているような口振りに、一瞬だけ思考が甘えそうになる。


けどここで甘えられるような器用な奴なら、私はとっくの昔に折れているわけで。





『別に、元気ですよ。私。』





その時もいつも通り、揺らいだ思考が折れる事なく嘘を吐いた。

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