嫌われ者。3【青葉城西】

129 ページ31

「ね、だから交換しよ。連絡先。

俺、超マメに連絡返すから！マジで。


え？なんなら今度デートする？」



『いや、そう言うのはちょっと…』



私は一歩後退って距離を開こうと試みるが、その前にコップを持ってない方の手をガシッと掴まれてしまう。



その瞬間、脳内でパトカーのサイレンが鳴り響きだす。



咄嗟に、自分の席の方に助けを求めようとするが生憎こっからだと座ってた席は死界になっていて見えない。



手を引こうにも、男子高校生のパワーにはどう頑張っても勝てそうにない。



「え、いーじゃん、連絡先ぐらい。

別に減るもんじゃなくね？」


『その…初対面ですし…』


「いや、今時普通じゃね？
初対面で連絡先交換とかww

あ、もしかして友達少ないタイプの人？www

俺らが友達なってあげるからw」


席のお友達さん達も「交換してやれ」だの「早よしろ」だのとちゃちゃを入れだす。



なんで私、初対面の人にこんなこと言われなきゃならないの…？



怖さと鬱陶しさで半端泣きたい気持ちになってくる。



ここはもうさっさと交換した方がいいのだろうか…？


でも、そのあとしつこく連絡が来る未来は容易に想像つく。



それもそれで嫌だ。



「ね、いいやろ？はよ、交換しよ。」



男の人がポケットからスマホを取り出す。



私ももう諦めかけてポケットからスマホを取り出そうとした時…

130→←128

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す