嫌われ者。3【青葉城西】

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＿＿＿ピィーッ




「宮城県男子バレーボール インターハイ予選決勝は
王者白鳥沢高校が、ストレートで青葉城西高校を下し全国への切符を手にしました。」



体育館にそんな実況が流れる。



インターハイ予選が終わった。



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インターハイ予選最終日を終えた私達は、各々現地解散する事になった。


選手達、特に3年生は口には出さないものの悔しそうで、ミーティング中もずっと暗い空気が流れていた。




それもそのはず。




せっかくここまで勝ち上がって来たのに、結果は白鳥沢にストレート負け。


悔しいと嘆く事も憚られるほどの完敗だ。




私は体育館の玄関前で遠くなっていく3年生たちの背中を送った。


3年生は全員春高まで残ると言った。


まだこのチームはもう少しだけ続く。



私はその事に酷く安堵した。



春高代表決定戦は、10月の下旬。


4ヶ月ちょっとだ。


思ったより時間はない。


その期間で青城は、白鳥沢に勝てるチームにならなきゃならない。




『帰ろ…』



他の部員たちが居なくなった頃私は呟いた。


泣くほどじゃない。


けど、やっぱり悲しい。


プレイヤーだった時より悲しいなんて、ちょっと非情かも知れないけれど、非力だからこそ悔しい。


負けたって、プレイヤーのように後悔も反省もマネージャーには残らない。



ただ悲しいだけだ。



こんな時、1人ってやだな…


私は空を見上げる。


今日の星もちゃんと綺麗だ。

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