嫌われ者。3【青葉城西】

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国「今から外でアップだっけ？」


『うん。荷物置いたら、玄関前集合って言って…』




国見くんと話しながら歩いていると、ニュッと急にでかい人影が私の視界を遮った。




私達は足を止めて、その人影を見上げる。





牛「上原か？」





私の名前を尋ねた巨体は、中学の時に何度か見た顔だった。



『牛島さん…』

国「牛若っ…！？」



隣の国見くんが驚いたようにそんな声をあげる。



牛「雰囲気が違うから一瞬分からなかった。久しいな。」




『お久しぶりです。牛島さんは相変わらずですね。』



私は少し頭を下げた。



すると状況についてこれてない国見くんがクイっと裾を引っ張って、耳ともに口を寄せてくる。



国「何？上原、牛若と知り合いなの？」



耳元で小声で囁く。



『えっと、中学の時に何度か会ったことがあって。』



私はそう返した。


と言っても、会ったのは本当に中1の時の何度か。



バレーボールの選抜招集で、何度か顔を合わせた程度だ。



一応、挨拶程度の会話はした覚えがあるが、正直名前を覚えられているとは思ってなかった。




牛「怪我でバレーを辞めたとは聞いていたが、青葉城西のマネージャーをしているのか？」


『はい。今はマネージャーをしてます。


牛島さん、私がバレー辞めた事知っていたんですね。』



牛「あぁ。当時は1年生ながらいいトスをあげる選手だと思っていたから、バレーを辞めたと聞いた時はかなり惜しいと思った。」




どこからの情報か分からないが、牛島さんに知っていた事は純粋に意外だ。



何しろ、本当に数回会った程度なのだから。



もちろん、そんな風に評価されていた事も知らなかった。

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