嫌われ者。3【青葉城西】

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でも…




『だけど、今は…



たまに何で自分がここに居るのか分からなくなる…』





でも、それでもたまに分からなくなる時がある。


自分の価値とかいる意味とか、考えてしまう時があるんだ。



国「…上原？」




『…青城のバレーが好きで、今も好きなはずなのに、


立ち止まると、分からなくなる。


目の前真っ暗で、怖くて、どうしようもなくなる時があるんだ…』



始めはただ少しでも役に立てれば、お荷物でも、邪魔者でも、それでいいって思ってたのに。



今は分からない。




国「…」




『ね、なんで私って…ここにいるのかな？』





意味のない質問だって分かってたのにそれでも聞いたのは、きっと縋りたかったから。


いつか国見くんに言われたように、「助けて」って言いたかったから。


国見くんに、知って欲しかったから。





国「上は」
『なぁんてね！』




でもやっぱり、私には難しいや。





『なんか夜ってちょっとシリアスな気持ちになっちゃうよね？


なんでって、マネージャーは選手を支える為にいるに決まってるのにさ。』



無理やり作った明るいトーンは、イタイタしいにも程がある。


けど、今はバレなきゃ、誤魔化せればそれでいい。




国「…」


『明日も試合だしそろそろ帰らないと…



明日も全力でサポート頑張るね！』



私はちゃんと笑って言った。


こんな事に、試合前の選手を巻き込むなんて事はできない。


いや、これから先何があっても私はきっと、結局何も言えないまま。




誰にも心配かけたくない…なんて綺麗事じゃない。



ただ、今を壊す勇気がないだけ。




国「上原！」



明るく振る舞う私を、真剣な顔で国見くんは呼んだ。


私は国見くんの方を振り向く。





国「…大丈夫？」




心配げな表情。



私はなんって顔をさせてるんだろう。



こんな顔させたいわけじゃない。



笑っていて欲しいのに。



なら今は、笑って言ってやればいい。





『大丈夫だよ！』





私は、今までで一番の笑顔を作ってそう言った。

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