嫌われ者。3【青葉城西】 (ページ17)

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『勿論推薦も取り消しになって。

とりあえず必死に勉強したんだけど、いくら考えても、

どこに行きたいかも
何をしたいかも、

全然分からなくてね。

気付いたら、

笑えなくなってた。

何にも見えなくなっちゃったの。』

国「うん。」

『…その時、そんな私を見兼ねて、当時のチームメイトが、春高予選を見に連れてってくれたの。

白鳥沢高校対青葉城西高校の試合だった。

その試合、1セット目から青城が劣勢で、正直見てて「可哀想」って思った。

セッターの及川さんがチームの100%を引き出しても、それでも叶わないなんて…皮肉な話だなって。』

国「…」

『…でもその試合の2セット目、取ったのは青城だった。』

国「えっ…」

国見くんが驚いたように声を上げる。

『凄いよね…私もその時びっくりした。』

国「うん。凄いね…」

『2セット目ね、選手交代で岩泉さんが入ってた。』

国「…」

『私ね、その時の岩泉さん見て、凄くかっこいいなって思った…

及川さんとのコンビもピッタリで凄いと思ったけど、

それ以上に、その人にトスをあげれば、無条件に決めてくれるという絶対的な信頼感とか。

岩泉さんが決めればチームの士気も一段とあがるとことか。

まさに理想のエースってかんじだった。

まぁ、パワーとかは白鳥沢の牛島若利の方が上なんだけどね…

でもさ、私、岩泉さんのプレーを見て…』

そこでいったん間を置いた。

国「？」

振り向けば、不思議そうな顔をした国見くんと目があった。

『もっと見たいって思ったの。

その人と同じチームで、もっと近くで見たいって思った。

だから、

私は青城に来たの。』

国「…」

国見くんは黙ったままだった。

私は青城に来た事を後悔してない。

だって青城に来なきゃ出会えなかった人達が沢山いる。

岩泉さんや及川さんは勿論だけど…

さよちゃんだって、

青城の他のプレイヤーだって、

影山くんや、

菅原さんだってそうだ。

そして、

国見くんも。

出会えて良かったと思う人が沢山いる。