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泡沫の夢【her view】3 ページ3

『良くないよ!!!A!!!ダメだよ。』



そうして聞こえてきた声は




「……リン??」




恐る恐る、暗闇の中で発した私の声に応えるように、淡く白い光がふわりと広がって、形になる


それは、さっきのアカデミーで見たリンより、ほんの少し成長した姿のリンだった。


そんなリンが、ふわりと優しく、だけど哀しげに微笑んだ。





「A、久しぶりだね。」



「え?久しぶりって、さっき一緒に帰るところだったでしょ?」



焦って答えた私に、リンはまたほんの少し哀しい顔をして首を横に振った。



「違うでしょ、A。忘れてないでしょ?私はもう、死んでるんだよ。」



「な、何言ってるの?!リン!だって、だって今ここに、居るよ?さっきまで、カカシやオビトも一緒だったよね?!」



焦燥感に駆られながら、思わずリンの両肩を掴む。

そんな私を宥めるように、リンはぎゅっと抱きしめてくれた。



「落ち着いて、A。私の話、ちゃんと聞いて?」


「……っ!」




嫌だと思った。


リンの話を聞いてしまったら、また怖い夢を見せられると


そう、直感的に感じた



だから、逃げようとしたけど、リンはなぜか、私より大きくて、お姉さんで―


抱きしめてくれているリンの腕は振り解けなかった。



「お願いA。現実から目を背けないで。オビトを、カカシを助けてあげて。」


「助ける?なんで?だって、二人とも、あんなに元気に……」


「ねぇA……貴女が今生きる世界がどんなに苦しくても、そこに私がいなくても、貴女は強い。そうでしょう?」



切ない声で痛いくらいに心に響いてくる


聞きたくないのに、受け入れたくなんてないのに


リンの声にはどうしたって逆らえなくて―


私より少し大きかったはずのリンが


いつの間にか、私より小さな少女になった


否、違う


私が、今の私を取り戻したんだ―


そうだリンは……


もう、この世には居ない



「リン……リンっ!!!」



頭ではこれが現実ではないと理解出来ても、目の前に居るリンを手放したくなくて、今度は私がリンの事をぎゅうぎゅうと力強く抱きしめた。



「あー、もぉ。しょうがないなぁ。立派な大人になったなぁって思ってたのに、Aったら、泣き虫っぷりは健在なんだね。」



おーよしよし、と冗談っぽく笑いながら、私の頭を撫でてくれるリンはやっぱり私の大好きな正真正銘本物のリンだ。

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テン(プロフ) - えごさん» えごさんはじめまして^^とてもうれしいコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ないのですが、頑張って書き上げますので気長にお付き合いくださいm(__)m (12月8日 23時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
えご(プロフ) - 夢主の設定もふたりの関係もとても素敵です!更新楽しみに待っています! (11月15日 9時) (レス) @page2 id: 1e37af87f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テン | 作成日時:2023年7月7日 0時

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