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-7-atsuto ページ7

山「いつまで隠れてんだぁぁぁ?」


声を頭上に感じて頭を上げると山本先生が笑って俺を覗き込んでいた。


 『あいつ行きました?』
山「行った行った(笑)」


 『いてててて・・・・急に来るからびびったぁぁ』

佐々木先生の机のそばに座り込んでた俺は、尻をパタパタはたきながらゆっくり立ち上がった。


山「なんだ?喧嘩でもしてるのか?」
 『いや してないっす』
山「じゃーなんで隠れたんだよ(笑)」
 『・・・・・・なんとなく?(笑)』


「なんだそれ(笑)」っと山本先生は笑いながら椅子を引いて「お前も座るか?」っと言ってくれた。


山「本気でギリギリだったぞ(笑)」
 『はぁ なんかすいません・・・・』
山「行かないんじゃないかって先生方とも話してたところだったよ(笑)」
 『あー見えて結構頑固なんですよねー あいつ(笑)』
山「頑固な上に負けず嫌いだな。 ありゃー相当手を焼くぞ(笑)」

山本先生は自分で言った言葉に自分で爆笑していた。


山「っで?? なんて言って説得したんだ?」
 『説得? いや 別にしてないっすよ 俺は』
山「そうなのか?」


 『行くか行かないかはあいつが決めた事ですから。 俺は・・・・俺の事いつもなんにも言わずに信じてくれてる真似をしただけです・・・・・』


山「そっか・・・・(笑)」

山本先生は「お前にとっては嫌な役回りだったな」っと俺の肩をポンと叩いて苦笑いした。



職員室を出て放課後の廊下を一人で歩く。
窓の外のグラウンドからは麻也や真司の声が聞えてくる。

あいつもこの声を聞きながら一人でこの廊下を歩いてたんだろうな・・・・・・

ふっと博子の笑った顔を思い出した。

教室でみんなとワイワイ騒いでる博子
昼休み麻也に弁当の卵焼きを狙われて必死にガードしてる博子
暑い夏も寒い冬も俺が部活終わって下駄箱に行くと「おつかれさま」って笑って言ってくれる博子
留学しろって行った時、泣きながら首を振り続けた博子




「だったら私も頑張れそうな気がするんです。離れててもみんな頑張ってるって思ったら、私も負けられないなって。」

そう言った博子はなんかめっちゃかっこいくって、正直負けたって思った(笑)


廊下をすり抜ける風はもう秋のにおい。
俺たちの夏がもうすぐ終わる。

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ひな(プロフ) - 空さん» 空さんいつものコメントありがとうございます。いろいろあってなかなか更新できてませんが、2人の事をこれからも見守ってくださいね (2016年3月12日 19時) (レス) id: 7fa1df6460 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 祝『5』内田くんと博子ちゃん見守ってます。続き楽しみにまってます。 (2015年10月23日 17時) (レス) id: 2458b5c8cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2015年10月23日 16時

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