HOWEVER-5-

-15-shinji ページ15

美里ちゃんの話を思わずさえぎってしまった。
誤解されたまんまの博子ちゃんがかわいそうだったし、なによりも自分を追いつめてる美里ちゃんが痛々しかった。


美「え・・・・」
真「これ、言っていいかよ―わからんけど、しれーっと聞き流してくれ」
美「・・・・」
真「博子ちゃんに留学しろって言ったんはウッチーやで」
美「え・・・？」

美里ちゃんは目ん玉くりくりさせてびっくりしてる。


真「最初はウッチーがプロ行くの悩んでたんや。サッカー選手なんて何の保証もないし、それに博子ちゃんもおったし、進学するかもしれんって迷ってたんや。俺ともその事で大喧嘩したわ」
美「そうなんですか・・」
真「そうや そんな甘ったれなウッチーに博子ちゃんがプロに行った方がいいって言ったんや。本当はさみしかったと思うでー。ずっと一緒におったんやからなー」
美「・・・・」
真「そんでその後交換留学？ってやつがこの学校あるらしく、欠員が出たって話が来てー。博子ちゃん、ウッチーにはあんな強気な事言ってたくせに、自分がその立場になったらなかなか決めれんくて・・・二人の関係もぎくしゃくしまくってたわ。」


真「でーその時にウッチーが行けって言ったんや」
美「・・・・・なんで・・・？」



真「大丈夫やって思ったからちゃうか？」
美「・・・大丈夫？」

真「離れてても絶対に気持ちが変わらない自信があったんじゃないか？」
美「・・・・・」
真「美里ちゃんは博子ちゃんはなんもかんも手に入れて余裕だって言ってたけど、俺から見たら余裕ぶっこいてるのはウッチーやで」
美「・・・・・」
真「あいつはいっつも自分の思った事なかなか口に出さんけど、逆に口に出したことは絶対その通りになるむかつくやつやねん。 だからあいつが「大丈夫」って思って博子ちゃんに留学させるって事は、きっと大丈夫なんよ。」



美「内田先輩、博子先輩の事本当に好きなんですね・・・・」
真「いやーもーそりゃーべたぼれや。見てるこっちがイラつくわ(笑) 可愛い彼女がいてサッカーうまくてな！ でも大丈夫、俺がプロに行ってあいつのプライドボロボロにしたる(笑)」
美「(笑)」



真「あの二人、見ててイライラすること多いけど、温かく見守ってやって(笑)」


俺がそう言って笑ったら、美里ちゃんも真っ赤に泣きはらした目でにっこり笑った。

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