悩み ページ30
宏規「好きです、付き合ってください。」
誰もいない教室にポツリと宏規くんの声が響いた。
耳を傾けて聞いておかないと、雨の音にかき消されてしまいそうなぐらいの小さい声。
しばらくフリーズしていたものの、数秒後に宏規くんに告白された事を理解する。
それと同時に私が一番恐れていた事態が起きてしまった。
私は恋愛に関しては基本追う派…というより蛙化になるタイプなのだ。
私も宏規くんのことは恋愛的に好きだし付き合いたいという感情はある。
ただ相手に恋愛感情を実際に持たれると、付き合うのに躊躇ってしまう。
自分でも分かっているが、世界一めんどくさい女である。
少し沈黙が生まれたが、私が口を開く。
貴方「宏規くんのことは好き。けど、ごめん…付き合えない」
宏規「じゃあ、お試しだけでもダメ…?」
と、少し寂しそうに言う。
貴方「私と付き合ったら絶対面倒くさいよ?依存しちゃうし重いし嫉妬しちゃうし。」
何で私って可愛気ないんだろー、なんて思いつつも本当のことを言う。
付き合いたくない理由が、依存するのが怖いだけって自分でも知ってる。
宏規くんに呆れられるのが嫌だから。
宏規「それでも良いよ。俺はAのことずっと好きだから」
そう言ってくれるのは正直嬉しい。でも…
貴方「でも、ずっと好きなんて存在しないじゃん。どれだけ長い期間付き合っててもいつか別れちゃうじゃん。」
貴方「いつか別れるくらいなら、付き合わない方がマシだよ…」
ねえ、みんなそう思うよね。
いつか別れて他人に戻るなら、付き合ってた頃の幸せな時間ってなんだろうって思うよね。
宏規「大丈夫だよ俺一途だから」
そう言いながら私の手を取ろうとする。
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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月29日 11時