温もり ページ23
冬。午後16時10分の静まり返った教室には二人しかいない。
私と、三浦宏規くん…。
今日ここで私は、人生で初めての告白をすることにした。
貴方「三浦くん…あの、好き、です…付き合ってください。」
頑張って振り絞ったが、案の定声は震えている。
相手はかなり驚いた表情をしたが直ぐにしゃがみこんでしまった。
やっぱ私じゃ無理だったのかな、と不安になってしまう。けど気持ちを伝えた事に意味があるから振られたとしても後悔は1ミリもない。
宏規「ほんとに俺の事好きなの、?」
しゃがんだまま顔だけ上げてるため上目遣いになる
貴方「うん…」
私が頷きながら言うとゆっくり立ち上がってくる。
宏規「あの、さ…実は俺も好き。1年前ぐらいから。気が付いたらいつも目で追ってた…」
まさかの言葉で次は私が驚く。だって、わりと目は合うなって思っていたけどそれは私がずっと三浦くんのことを見てるのがバレバレだったからだと思ってた。
貴方「そうだったんだ…」
宏規「だからさ、俺と付き合ってください。」
片手を出しながらいう。もちろん断る気なんてないしずっと好きだった三浦くんだから、私も手を差し出して三浦くんの手を握った。
貴方「こちらこそ、よろしくお願いします。」
そのあと今日は一緒に帰ることになった。
マフラーとコートを着て昇降口から出たがとてつもなく寒かった。
貴方「さむっっ」
咄嗟に出てしまった言葉。しかし隣にいる三浦くんは優しい表情をしながら「ん、」と言い、手を出てきた。
初めは驚いたものの、私はその手をそっと握り返す。
貴方「三浦くんの手、温かいね…しかもおっきい」
宏規「そう?自分的にはこれが当たり前だけど」
貴方「めっちゃ温かいよ。私なんていつも手冷たいもん。」
宏規「じゃあこれからは俺が毎日温めてあげるよ」
貴方「うん、ありがとう」
この日から、大好きな人の温もりを感じながら下校するようになった。
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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月29日 11時