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［翔にぃside］
和「もうやだ！
やんない！
治んなくていい！」
リビングの端っこで俺らに向かって怒る和。
毎回こんなんだけど、俺が近づいて手を
引っ張れば素直に歩くから、よしとしよう…笑
「ここまで頑張れたんだから、あと2回。
ほら、おいで。」
和「やだ！やりたくない！来んな！」
いつものように喚きながら着いてきたけど、
引っ張られながらＴＶのリモコンを
雅紀に向かって投げつけた。
和「来んな！」
そりゃ連日、押さえられて痛いことされてれば
気持ちは分かるけどね。
雅紀もリモコンをキャッチしてくれて
当たることもなかったから
俺らは投げたことに何の反応もせず
和をベッドに寝かせた。
でも、それが良くなかったのか…
ベットに寝かされた和は、さらにゲーム機で
近くにいた雅紀の頭を思い切り叩いた。
雅「…いったいな！あーもう！我慢できない…
いい加減にしろ！バカ！」
雅紀はゲーム機を奪って、やり返した。笑
和「バカ！バカ！雅にぃのバカ！」
雅紀に向かって怒鳴ってバタバタと暴れる和。
智「雅紀も和もいい加減にしなさい。
お互い様なんだから、もう、おしまいね。」
智にぃは喚く2人に、さらっと言い放って
和をいつものように抱きしめた。
和「だって…嫌なんだもん！」
智にぃの胸にピタッとくっついて甘えている。
智「分かるよ、和。でも、雅紀だって
叩かれたら痛いでしょ？」
今日は治療が終わっても、智にぃに
くっついたまま顔を上げたがらない…
智にぃが合図してきたから、俺は雅紀を連れて
部屋から出た。
その後、もちろん雅紀は俺に叱られた。笑
どうしても和を相手に
ムキになっちゃうんだから…
次の日…
色々あったけど、いよいよ最後の治療の時間。
「ほら、今日でおしまいね。
よく頑張りました。」
俺は和のところに表を持っていって
見せながら褒めてやった。
智「さて、部屋に行こうか」
智にぃの言葉に素直に頷く和。
立ち上がって俺の服の裾をギュッと掴んで
見上げてくる。
連日、引っ張って連れていっていたのに…
智「翔。早く行くよ？」
戸惑う俺に智にぃは笑いながら歩いていく。
ベッドにすんなり寝転んで
手を差し出してくる和。
あまりの素直さに、戸惑いまくりの俺。
智にぃはそんな俺を見て、笑いっぱなし。
「ねぇ、どういうこと？」
治療を終えて聞いてみる…
智「ん？どうって？笑
約束しただけだよ。
最後は「嫌だ」って言わないって」
はぁ…やっぱり智にぃには敵わない…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年1月16日 6時
