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［智にぃside］
和室に寝かせてから
30分くらい経って…
雅「…ん、んん…」
翔「まさ…？…分かるか…？」
雅「…ん、ん…しょ、…ちゃ…」
肩を優しく叩いた翔を見つけた雅紀は「翔ちゃん」
って小さい声で。
たまに出るんだよね、雅紀の「翔ちゃん」笑
翔「翔ちゃんじゃねーけど…まぁいいや。笑」
雅「…ん、んふ…」
「…よかった」
意識が戻ることは分かっていたけれど、実際に雅紀が
目を覚ましてくれるまでは心配だった。
少しだけど口角を上げて笑ってくれたから安心して
たんだけど、黒目がちなその目が次第に潤んで…
雅「…ん、んっ…ん、んっ…んくっ…」
翔「ん、大丈夫。…泣かなくて大丈夫だから…」
雅「…んっ…んくっ…んっ…ん…」
翔「まーさ…苦しくなる。な？泣かなくて平気…」
しゃっくり上げるまではあっという間。
翔が優しく宥めてくれているから、俺は見守りに
徹する。
こういう時、翔は本当に優しい表情と声で
落ち着かせてくれるから…
翔「大丈夫…。どっか辛い…？」
雅「…んくっ…んっ…ちが、う…っ、んっ…んくっ」
翔「ん、じゃあ泣かなくていいから…な？」
雅「…んっ、んくっ…で、も…」
翔「でもなんていいの。大丈夫だから…」
雅紀がどこまで記憶していて、何を気にして
いるのかは、翔にも俺にも分からない。
でも、色々と分かっているんだろうな…と思うから
少しでもフォローできたらと思う。
翔「少し落ち着いたら、何があったのか説明する
から。な？大丈夫…」
雅「…ん」
「まさ…深呼吸しようね」
雅「…ん」
忙しなく動く背中をそっとさすって、気持ちが
落ち着くのを待つ。
しばらくしたら涙も止まって、体を少し起こすことも
できた。
雅「…ん、も…、だい、じょ…ぶ…」
「ん、落ち着いたね。少し飲もうか」
雅「…ん」
翔が用意してくれた温かい麦茶を少し飲んで
表情も柔らかくなった。
翔「じゃあ、説明するな？これ見てね」
雅「…ん」
翔はipadを使って、雅紀の身に起きたことを
分かりやすく丁寧に教えてくれる。
雅「…また、なる？」
翔「ん、可能性はある。でも、薬で抑えること
できるから。心配いらないから」
雅「…ん」
翔「とりあえず、今夜はしっかり休んで、明日
病院行こう」
雅「…んん」
翔「ん？」
雅「…っ、病院、…きたく、…い、…っ、んっ…」
翔の目をしっかり見て話を聞いて、質問もしていた
雅紀だったけど…
『病院は行きたくない』って再び泣き出した。
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
