5人で生きてゆく…part65 (ページ36)

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［雅にぃside］

智「…っ、んっ…んくっ…」

「頑張れ…」

智にぃの涙を見ていたら堪らなくなる…

翔にぃが優しく声を掛けながら腕をさすってあげて。

それでも涙は止まらないし、苦痛で顔が歪むのが
とても可哀想で…

智「…っ、んっ…んー…っ、んっ…」

翔「ん、痛いね…あと少しだからね…」

智にぃは処置の間中「離して」「痛い」って弱々しく
何度も口にしていた。

抑制を手伝っているだけの俺が、これだけ時間を長く
感じるんだもん、智にぃが感じている時間はもっと
長いと思う…

医「よし、終わりだ。…お疲れ様」

翔雅「ありがとうございました」

翔「よく頑張ったね、智にぃ。おしまいだよ」

智「…っ、んくっ…んっ…」

翔にぃはいつもの何倍も優しく智にぃに声を掛けて、
涙を指で優しく拭った。

翔「辛いこと沢山で疲れたね…」

「お疲れ様、智にぃ…」

智「…んっ、んくっ…も…かえ、る…」

翔「ん。少し休んでからにしようね…」

この状況なら、少なくとも今日明日くらいは入院。

智にぃもきっと分かってるから「帰る」って口にして
『入院はしたくない』って意思表示をしているん
だろうね。

［翔にぃside］

智にぃは嫌がっているけど、このまま数日は入院。

でも今はそれを話しても、お互いに無駄な気力と体力を
使うだけだから。笑

「このまま少し眠ろうね…疲れたもんね…」

雅「そうだね、智にぃ。少しだけ、休もう…」

薬を少し追加してもらって、眠らせる。

もうね、俺と雅紀も体力使い果たした。笑

でもまぁ、辛いこと頑張ったのは智にぃだからね。

「じゃあ、和と潤のことよろしくな」

雅「おっけー。智にぃのことよろしくね！」

「ん、任せろ！笑」

雅紀には一旦家に戻ってもらうことに。

スマホを確認したら、双子に送ったLINEは既読になって
いなかったから、まだ2人とも夢の中かな。

だったら起きる前に雅紀が帰宅しておいた方が、双子を
不安にさせずに済むから。

智にぃが深い眠りに堕ちたのを確認して、病室に移動。

朝の回診の時間まで眠ってくれるように祈りながら、
目を閉じる。

俺も少し寝よう…

って、思った直後には眠っていたようで…笑

看「翔先生、腰痛めますよ。笑」

「…っ、ん…」

声を掛けられたのは回診の時間。

「っ、いてて…」

ベッドに突っ伏して眠っていたみたいで、体がバキバキ。

でも…

あ、よかった…

スースーと寝息を立てる智にぃの落ち着いた表情を
見たら、体の痛みも一瞬で消えた。