5人で生きてゆく…part65 (ページ33)

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［智にぃside］

翔から「まだ処置がある」なんて言われて
周りの看護師さん達がパタパタ準備を始めたから…

なんだか嫌な予感。

極め付けに「少しボーッとする薬、入れますね」って
看護師さんが。

なんだか、大がかりな処置をされるの…かも。

やっと翔が傍に来たと思ったら「ごめんね、智にぃ。
ちょっと辛いけど頑張ろう」って。

なにがどう辛いのか…と聞く間も無く、背中側にまわって
しまった翔の手が、肩の辺りに触れる。

いや、触れるというより、抑えつけたな、これは。笑

なんて冷静に状況を判断できたのはここまで。

えっ…まさか、胃洗浄される！？

医「始めますね…」

「…っ、待って。っ、いやだっ…」

いきなり目の前に医者が現れたと思ったら、マウスピースを
噛まされ…

「…っ、んっ…んぐっ…おぇっ…」

医「力抜きましょう…」

ホースみたいなのを口から突っ込まれた。

さっき看護師さんが鎮静剤入れてくれたんじゃないの！？

なんでこんなに苦しいわけ！？

無理！！無理っ！絶対に無理！！

「…っ、げほっ…んっ…んー！んー！！」

翔「…ちょっと、智にぃ。…落ち着いて！」

「…っ、んー！！」

［翔にぃside］

智にぃに「胃洗浄するよ」なんて宣告したら、なにが
なんでも逃げようとするだろうから、強行突破。

少しでも早く、なるべく沢山のカフェインを体外に
出さないといけないから。

『ごめんね、智にぃ…』って思いながら、肩を抑えた。

鎮静剤も使うけど、効き始める前に処置が始まるし、
神経が興奮状態だから、ほぼ効かないだろう。

そうなってくると、この処置はとてつもなく苦痛を伴う
辛い処置なワケで。

智「…っ、んー！！」

「…ん、苦しいね…」

智にぃがこうして、全力で抵抗して暴れるのも納得できる。

「落ち着いて」なんて、口では言うけど、無理なのも
分かる。

それは医者も看護師もみんな分かってる。

でも、今の智にぃには必要な処置だから、こっちも必死。

医「ごめんねー…辛いだろうけど、続けるねー…」

「ごめん…耐えてね、智にぃ…」

雅「智にぃ…がんばれ…」

夜間救急だから人手が足りず、雅紀にも抑制に加わって
もらって。

智「…っ、んぐっ…げほっ…、んっ、んー！」

「やらないとラクにならないから…頑張って…」

智「…おぇっ…んっ…げほっ…んっ…んー！んー！！」

智にぃって、こんなに力あったんだ…って思うほどの抵抗。

全力で暴れるから…なかなか処置が進まない。