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［翔にぃside］
辛いことのオンパレード…
智「お疲れさま。頑張ったねぇ…」
「…ん」
耳鼻科の処置室を出て、智にぃに会った時には
心身ともに疲れ切ってた…笑
この治療が続くのかと思うと、逃げたくて、
逃げたくて堪らない。
先「翔くん、そろそろ時間だろ？行くよー」
「…はい」
でもね、実際は先輩達がそれを許してはくれない。
まぁ、この状況だと、これくらいされないと
俺は間違いなく治療から逃げてしまって、外科処置
になってしまうから有難いワケなんだけど…笑
耳「ほら、手出さない！」
「…っ、んぐっ…痛いっ…待って…」
耳「待たない。危ないから、顔も動かすなって…」
「…だって…っん…んぐっ…げほっ…」
吸引は痛くて辛くて、じっとしていられない…
先輩2人に顔も手も抑えられ、情けないけど
涙が滲む。
「…んんっ…げほっ…んっ…んぐっ…」
耳「もう少し奥入れるよ〜…」
鬼だ…笑
「…んっ…無、理…もう、やだ…っ、げほっ…」
耳「こら！危ないって…」
先「手出さない！じっとしてて…」
「…っ、だっ、て…んぐっ…げほっ…」
先「ん、辛いのは分かるけど…」
先輩は耳鼻科医の先輩よりは優しくしてくれるけど
それでも抑制の手は緩めないし、容赦ない…
「…っ、んっ…んぐっ…んんっ…」
先「頑張れ、頑張れ…」
鼻の奥がツーンと痛くて、それに加えて逃げられない
恐さみたいなのもあって…
［先輩side］
痛がりで恐がりな翔くんにしては、今回はほんとに
よく頑張っていると思う。
耳「すごいじゃん！顔抑えられなくても動かず
我慢できたな！笑」
翔「もう…笑。子ども扱いして…笑」
耳「ジタバタ暴れてた奴はどこだっけ？笑」
翔「…」
「ははは！」
何度も処置を続けていくうちに、翔くんは俺らに
体を抑制されなくても吸引を頑張れるようになった。
耳「よし、反対の鼻な！」
翔「んん…」
それでも、痛さと辛さと恐さはゼロではないから
体には力が入っているし、目もギュッと閉じて…
翔「…っ、んっ…んぐっ…んん…」
「頑張れてる、頑張れてる…あと少し…」
翔「…んんっ…んっ…ま、だ…？」
耳「まーだ。笑」
翔「…っ、んぐっ…んっ…」
毎日通うのはすごく嫌そうだったけど、何とか
逃げることなく完治まで通うことができそうで
一安心。
次からは、こんなに辛い思いをする前に治療を
始めて欲しいと願う。
翔くんの辛そうな顔は見たくないからね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
