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［翔にぃside］
もうね、なにこれ
どんだけ辛いの…って状況。
大先輩相手に『待って』だの『嫌だ』だの
言いたくはないのに、辛過ぎて勝手に口から…笑
「…っ、んっ…げほっ…っ、ぐっ…」
耳「ちょっと辛いな…でも、あと少し」
いや…全然、ちょっと辛いってレベルじゃないし。笑
怖がって敏感になっているから、余計に辛いんだと
分かるけど、どうにもできない…
「…っ、んぐっ…っ…んっ…げほっ…」
耳「よし、一旦いいかな」
やっと吸引ノズルが抜かれたと思ったのに、すぐに
「じゃあ次、鼻腔内の洗浄していこう」って…
いやいや…待ってくださいよ。笑
「…ちょっと、待っ…辛過ぎ、て…」
耳「ここまで放置する方がよっぽど辛かったと
思うけど？笑」
「うぅ…おっしゃる通りです…」
確かにここ数日はかなり辛かった。
味覚も感じ辛くなっていたし、頭というか鼻の奥から
ズーン…と重い感じがしていたし。
耳「吸引してすぐ洗浄した方が効果あるから」
「…は、い」
もう観念するしかない…
先「知ってると思うけど、洗浄自体はそんなに
辛い処置じゃないよ」
「…ん」
そう、分かってる…
でもやっぱり怖いし、全く辛くないわけじゃないん
だろうな…とか想像してしまう。
耳「はい、力抜いて深呼吸…」
「…ふぅ…」
先輩が肩をさすってくれて少し体の力が抜けた。
チューブがスルスルと鼻に入ってきて、少し違和感
あるけど、そこまで辛くないかも。
と思った直後…
「…っ、んっ…げほっ…」
耳「力抜いて…これ以上奥には入れないから大丈夫」
先「深呼吸、深呼吸…」
「…んっ…ふぅ…」
ググッと…思っていたよりチューブが奥に進んで
きて焦ってしまった…
情けない…笑
先「相変わらず怖がりなんだから。笑」
「…だって…」
耳「あはは！じゃあ、洗浄していくから」
「…は、い」
先「ほら、肩の力抜いて！笑」
「…はい」
先輩に言われて気が付いたけど、肩にガッチガチに
力が入っていた…
生温い洗浄液が入ってきて、出ていく。
初めて体験するそれは、なんだか気持ち悪くて…
「…ん、んん…ふぅ…んっ…」
先「大丈夫…？」
「…は、い…」
先輩の言葉に反応はできるけど、さっきまでの
辛すぎる吸引の後遺症もあって、気持ち的には最悪。
それに追い討ちをかけてくる厳し過ぎる耳鼻科医の
先輩…笑
耳「…翔くんさ」
「…は、い…」
耳「ほんとに、あと少し放置したら、切開して
膿出して…」
あぁ…言わないで。笑
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
