3215.【末っ子の歯の治療と雅にぃ】 ページ15
［潤side］
あれ…なにこれ。
やばい…
ベッドで目覚めて顔に違和感。
頬に手を当てたら伝わってくる熱と腫れ…
原因はすぐに分かった。
ずっと奥歯が痛かったんだ…
『早くに歯医者に行けばよかった…』
今さら後悔したって遅い…
どうしよう…
ベッドに座ったまま時間だけが過ぎていく…
コンコンコン…
翔「潤！いい加減起きないと遅刻するぞ！」
「…」
ガチャッ…
「起きてんじゃん！」って言いながら近付いてきた
翔にぃはすぐに俺の異変に気が付いて…
翔「…どうした？…ちょっと見せて」
「…んん」
翔「…歯？」
顔に手を当てられそうになって、咄嗟に翔にぃの
手を払ってしまったけど、すぐ見抜かれた…
「…痛、い…」
翔「なんでこんなに腫れてんの…」
やっぱり、ほっぺ腫れてるんだ…
翔「…見せて？」
「んん…いや、だ…」
翔「もう…、ちょっと待ってろ」
眉毛を下げて困った顔した翔にぃは、俺の頭を
優しく撫でてから部屋を出ていった。
翔にぃが治してくれたら安心だけど、さすがに歯は
専門外だしな…
それにしても痛い。
昨日までここまで痛くなかったのに…
ほっぺに手を当てたままあれこれ考えていたら
翔にぃが智にぃを連れて戻ってきた。
［翔にぃside］
ビックリした。
パッと見で分かるほど頬が腫れてるから…
智「大丈夫だからね、潤。…少し冷やしてみる？」
潤「…ん」
智にぃにヘルプを頼んで正解だった。
『潤が歯が痛いらしくて頬が腫れている』
それしか伝えていないのに「すぐ行くね」って。
タオルに包んだ保冷剤まで用意してくれて。
しかもこんなに優しく声を掛けてくれている…
俺は駄目だよね、見せろ、見せろって。笑
急なことで、潤だって不安なんだから寄り添って
やらないとね。
智にぃの対応は、見ていて勉強になる。笑
頬を冷やしてあげながら、潤にいくつか質問をした
智にぃは「翔に見てもらおうね」って。
「いい？」って聞くんじゃなくて、選択肢を
与えない辺りは俺より厳しいけどね。笑
潤「…んん」
智「ほら、寝転んで？」
潤は渋りつつも、智にぃに促されてベッドに
寝転んだ。
「なにもしないから。な？見るだけ」
潤「…分かってる、もん…」
「はは！なら素直に口開けられるな？」
潤「んん…いじわる…」
口が達者ってことは、まだまだ大丈夫そうだ。笑
「ん？…顎痛い？…もう少し大きく開けられる？」
潤「…んん…」
どっちだ…
僅かに覗けるくらいしか開いてない…笑
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
