5人で生きてゆく…part65 (ページ23)

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［和side］

痛くて痛くて
痛すぎて…

なんとか痛みから逃れたくて必死になる。

たいちゃんも翔にぃも『いつでも薬使えるよ』って
何度も声を掛けてくれるけど、それだけは嫌だ。

だから我慢しなきゃ、頑張らなきゃって思うけど
痛すぎて無理だ…

「おしまいがいい」って訴えてみたけど、受け入れて
もらえるはずはなく。

「…っ、んーん…んくっ…いた、い…や、だ…」

翔「頑張れてる、頑張れてる…」

バスタオルで抑制された体を、なんとか捩って
逃げ出そうとするけど、智にぃにしっかりと
抑えられているから、できなくて…

「…んっ、や…、や、だ…、んくっ、…いたい…」

消「頑張れてるね～…和くん、強いね～…」

「…っ、んくっ…いた、い…っ、んんっ…」

たいちゃんの優しい声も耳に届くけど、痛すぎて
反応する余裕はない。

恐いから薬は使いたくない…

でも、痛すぎて頑張れない…

『どっちも嫌』は我儘だって分かってるけど…

「…んっ…んくっ…も、う…や…っ、んくっ…」

翔「辛いな…一旦、止めてもらおうか…」

［翔にぃside］

とにかく暴れて『嫌だ』『痛い』『やめる』って
大泣きする和。

パニックではないのに、ここまで泣いて暴れる
のは、最近では珍しい。

それほどに痛くて辛いってことで…

消「止める？」

「すみません…とりあえず、一旦…」

今の段階では『検査をやめる』って判断までは
できないけど…

「…かず？一旦、落ち着こう…」

和「…っ、んくっ…んっ…」

「よく頑張れてるな…飲める？」

和「…んっ…ん…んくっ…」

体をタオルで巻いて抑制しているせいもあって
和の体は熱が篭ってしまっていて…

もともと微熱だったのもあるけど、かなり熱い。

用意していたスポーツドリンクのストローを
口元に近付けたら、しゃっくり上げながらも
頑張って吸ってくれた。

この時、ストップをかけてやればよかったんだ。

また一からのスタートになると思うと、なかなか
その決断が出来なくて…

頑張らせてしまった。

再開してすぐに『痛い痛い』と泣き始めた和。

消「もう7割まできてるからね。頑張れてるねー…」

和「…っ、…んんっ…んくっ…」

「頑張れ…かず。痛いよな…」

いつも以上に注意深く様子を見ているつもり
だったんだけど…

『あと少し』『ここまできたから終わらせて
やりたい』

そんな思いが勝ってしまっていたように思う。

和が一瞬『ひぃっ…』って喉の奥から苦しそうな
声を出して…

発作を起こした。