5人で生きてゆく…part64 (ページ48)

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［雅にぃside］

何も知らずに目を覚ました
和の第一声が「潤は？」で正直驚いたけど…

こういうことがたまにある。

双子とか兄妹って不思議なもの。

なにかを感じる時があるんだよね。

まだ少し体調が万全ではない和にも伝わるように
一つずつ丁寧に説明した。

俺にしては上手く伝えられたと思う。笑

「もう帰ってくるからね」

和「…ん」

不安そうに俺を見上げてくるけれど、気持ち的には
落ち着いてくれている。

話をした直後に『辛いのは潤だから…』って呟いて
いたから『でも和も我慢しなくていいから』って
伝えたんだ。

こういう時は誰かが我慢して潰れてしまっては
駄目だからね。

みんなで乗り切らないと！

智にぃと翔にぃもそのつもりだろうから…

翔「ただーいまー！」

和「…ふふ、帰ってきた！」

「あひゃ！相変わらず大きい声だね！笑」

いつもの翔にぃなら『和が寝ているかも…』って
配慮しそうだけど、今はきっとそんなことよりも
明るさを重視したんだろうね。

実際、そのお陰で和の表情も明るくなったし。

和「行っていい？」

「ん、行こっか。ゆっくりね」

和「うん！」

体を起こしたら少し視界がグルグルしたみたいだけど
しばらくしたら治ったみたい。

肩をしっかり抱いて、階段を降りる。

翔「ただいま。ごめんな、帰ってきたのに顔も
出せなくて」

「いや、いいよ、大丈夫。…どう？」

翔「今は落ち着いてる」

リビングにいた翔にぃと少し話をして。

和は当たり前のように翔にぃにくっ付いてる。笑

和室からは「いかないで…」って、か細い潤の声が
何度も聞こえてきて…

智「いかないよ、いるよ？ね、大丈夫…」

潤「…っ、んっ…いかな、いで…」

智にぃが手を握っているのに、潤は次第に涙声に
なって不安を訴えてる。

翔「声が聞こえないし、視界もボヤけて見えないから
不安が大きいみたいで…」

和「じゅん…」

3人で和室にいって体に触れたり、声を掛けたり
してみたけど、潤の涙は止まらない。

耳元で声を掛けた時は頷いたりするけど、だからと
いって泣き止んだり、落ち着いたりするわけでは
なくって…

翔「長期戦になりそう…」

智「そうだね…誰かしら傍にいるようにしようね」

「少しでもいいから安心させてあげたいね…」

和「おれ…ずっとここにいる…」

和は潤の布団に潜り込んで、体をピタッと寄せた。

みんなの温もりが少しでも届きますように…

潤の気持ちが少しでも安らぎますように…

そう願う。