3187.【6】 ページ37
［和side］
いくら智にぃの傍で
通い慣れた病室で…とはいっても、やっぱり恐怖心は
拭えない。
でも、弱っちい自分を見せるのも嫌で、素直には
なれなくて…
翔「おいで、和。すぐ済むから」
「…今、無理だもん…忙しい、から…」
こんな風に強がってしまった時には、きまって
智にぃが「かず、ここおいで」って呼んでくれる。
「んふふ…」
翔「はは！よかったな」
「ん、智にぃあったかい…」
智「…ふふ」
ベッドに上がらせてもらって、ピッタリくっ付いて
診察をしてもらう。
そうすると、少しだけドキドキが減ってくれる。
「お家…早く帰ってきて…？」
智「ん、帰る」
智にぃは頭をクシャクシャって撫でてくれた後、
「ほんとは、今すぐにでも帰れるんだけどさ」
だって。笑
唇尖らせて「翔が許してくれないから」って。
翔「ちょっと…それ違うでしょ？笑」
智「んぅ…」
雅「あひゃ！智にぃ、和みたーい！笑」
不貞腐れて、雅にぃにまでからかわれてる。
「大丈夫、俺が守る！」
翔「なにから守るんだよ！笑」
智「ふふ…ありがとね」
ギュッと抱き着いたら「俺も守る！」って、潤が
くっ付いてきた。
退院はまだ少し先みたいだけど、守るからね。笑
［智にぃside］
なんだかんだ長引いてしまった入院。
いっぱい掛けてしまった心配。
退院を明日に控えてるんだけど、今回のことが弟達に
申し訳なくて、落ち込んじゃって…
翔「もういいよ、智にぃ。落ち込むのおしまい」
「…だって」
翔「なってしまったものは仕方ないもん。智にぃが
落ち込んだまま退院してきたら、みんな悲しむよ？」
「ん、そうだね」
謝って済むことじゃないから、次からはほんとに
気を付けようって思う。
弟達の悲しむ顔は絶対に見たくないから。
「…ごめんなさい」
翔「どうしたの、急に？笑」
素直に謝っておきたい気持ちになって呟いたら
翔が「はは！」って笑ってくれて。
翔「俺らもさ、智にぃなしでは生きていけないし
絶対に必要な人だから」
「ありがと…」
いつもは照れくさがって言わないくせに、嬉しいこと
言ってくれるじゃん。笑
翔「なに泣いてんの。笑」
「だって…」
だから、ついつい涙が。
翔が言ってくれた言葉は温かくて、嬉しくて。
でも俺だって同じ気持ち。
翔と雅紀と和也と潤。
4人と一緒じゃなきゃ駄目なんだ。
4人がいなきゃ、駄目なんだ。
だからもう心配も掛けないように気を付けるね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
