3182.【智にぃの心筋梗塞】 ページ32
［智にぃside］
あれ…まただ…
今朝から何度か胸がギュッと痛いような苦しいような
感覚があって。
昼食のチャーハンを食べ終えた今も、なんだか胸に
違和感…
この時、もう少し自分の体のことに敏感に
なっていたらみんなに心配掛けずに済んだん
だろうな…
後になって苦しむのは俺自身だし、弟たちを心配と
不安な気持ちでいっぱいにしてしまうって
分かっていたら、違う選択ができたのに…と、
言い訳ね。笑
結局俺は、自分の体を大事にせずに、大きなことと
して受けとめることもせずに『まぁ大丈夫だろう』
って流した。
翔にも隠した。
万が一なにかがあって、入院とかになったら嫌だって
思いが強くて。
でも…
「…っ、うぅ…」
夜になってベッドに入ってから、胸が苦しくて
痛みもあって眠れないくらい辛くなって。
「…んっ…うぅ…っ…」
それでも『寝てれば治る』『大したことない』って
なんだかんだ言い訳してやり過ごそうとする自分が
いて…
日付が変わる頃まで耐えてたんだけど。
「…っ！んっ…んん…っ…」
急にもの凄い痛みに襲われて、痛みと苦しさと
なんだかよく分からないけど嘔吐もして…
痛みのあまりに胸を押さえて悶えながら、ベッドから
転がり落ちた。
［翔にぃside］
部屋でパソコンと睨めっこしていたら…
ガタンッ！
智にぃの部屋から、何かが落ちるような音がして
頭の中に一瞬『まさか！』って思いが…
瞬時に悪い予感がしたのは、今日は智にぃが元気ない
気がして、少し気になっていたから。
ノックもそこそこに部屋に駆け込んだら、冷や汗
ビッショリの智にぃがベッドの下に倒れていて…
「…智にぃ！！智にぃ！！」
智「…」
すでに意識がなかった…
雅「どうしたの！？」
和「…えっ…なんで？」
潤「さとにぃ！」
俺の叫び声を聞いた3人もすぐに駆け付けて
くれたけど、その後はただただビックリしてる…
「…救急車！雅紀、救急車呼んで！早く！」
雅「ん、…ん、わかった…」
あんまり良くない智にぃの状態に、気持ちばかりが
焦ってしまって…
慌てる雅紀と、泣き出してしまった双子のフォローも
上手くしてやれず。
「ごめんな、大丈夫だから…病院で待ってるな？」
救急車に乗り込む直前、やっと一言だけ言葉を
掛けてやることができた。
雅「…お願いね。車ですぐ追いかけるから」
和「…っ、んっ、んくっ…たすけ、て…？」
潤「…っ、んくっ…おねが、い…」
助けるよ、絶対に…
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
