3180.【4】 ページ30
［智にぃside］
家のことを済ませて
病院に戻ってきたら…
雅「…っ、けほっ…や…っ…や、だ…」
翔「あと少しだから…」
先「翔くんこっち持ってて」
ベッドの上でバタバタやってる。笑
俺に気が付いた翔が「ちょうど良かった。もうすぐ
終わるから、ちょっと顔抑えてくんない？」って。
「りょーかい」って言いながら近付いてみたら、
雅紀の頬は涙で濡れているし翔はうっすら
汗かいてる。
「まーさき…もう終わるんだって、ね？」
雅「…っ、けほっ…んっ…や、だっ…って、…る」
タオルで顔を拭きながら声を掛けたら「やだって
言ってるのに」って怒ってる。
「…落ち着いてごらん？そんな嫌なことしてないよ」
雅「…っ、…んっ…けほっ…」
顔を拭いたタオルをそのまま頬に当てて、吸入器から
逃げようとする顔を軽く抑制。
先生が「ラクになるんだよ〜」って優しく声を掛けて
くれる。
それでも雅紀はちょっと怒って若干パニック気味で…
翔「はぁ…終わった〜…」
先「お疲れさん。笑」
終わったと同時にクタッと力を抜いて眠った。笑
翔「意外と手強くて。笑」
先「一筋縄ではいかないな」
翔「ですね」
とりあえず処置を終えて先生と顔を見合わせた翔は
ホッとした表情をしていた。
［雅にぃside］
風邪を拗らせて迷惑を掛けてしまったから、処置は
大人しく受けなきゃって思ってる。
吸入はそんなに苦しい処置じゃないってことも。
でも、吸入する時は、発作ですごく苦しい思いを
した後だから、そんなに冷静な判断が出来なくって…
「…っ、…っん…けほっ…や…やだ…っ…」
翔「まさき、大丈夫…大丈夫だから…」
「…っ…んっ…けほっ…や…」
智「ほらほら、手握ってるから。…ね？」
バタバタ暴れて抵抗してしまって…
抵抗するから、手も顔も抑えられて…
そうするともっと苦しい気がして嫌になって…
勝手にどんどん悪い方向へと進んでしまう。
それでも、にぃ達は一生懸命に処置してくれて
俺の気が紛れるように頑張ってくれる。
「…っ…んっ…や…、んっ…けほっ…や、だ…」
智「デザート何食べよっか。あとで売店で買ってきて
あげる」
翔「やった！俺プリン！！」
智「くふふ…翔じゃなくて雅紀に聞いてるのに。笑」
翔「はは！」
そんな会話に耳を傾けてる間だけ、嫌なこと忘れて
吸入を頑張れるけど…
「…っ、んっ…っ…や…」
翔「一瞬かよ！笑」
頑張れるのは一瞬だけだった。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
