3178.【2】 ページ28
［智にぃside］
翔「風邪が悪化したみたい」
「そっか…」
大きな喘息発作だったから、念のために数日入院する
ことになったと連絡があって。
フットサルから帰ってきた双子を連れて、病院に
面会にきたらスヤスヤ眠っていて。
ホッとした…
和なんて「心配して損した！笑」なんて言って。笑
潤も「よかった〜」って言いながら、ベッドサイドで
翔にくっ付いて座って。笑
やっぱり、大事な人が苦しむ姿は見たくないからね。
翔「体力消耗したし、薬も使ったから、今日はもう
起きないと思うから」
「そっか、そしたら明日の朝面会にくるわ」
なんて話して、双子を連れて帰宅したんだけど…
『今は落ち着いたけど、夜中にまた発作起こした』
明け方になって翔からLINEがはいった。
ほんとは双子も連れていきたいけど、それだと雅紀が
強がるし、気を遣ってしまうから…
和「ん、いいよ。病院行かない」
潤「雅にぃに、よろしくね」
和と潤も、雅紀が体が弱いことにコンプレックスを
持っていることを知っているから、すぐに納得して
病院には寄らずに学校に行ってくれた。
優しい2人の為にも、雅紀が早く元気になるように
俺もできることをしなきゃと思いながら病院へ。
コンコンコン…
「…失礼しまーす」
ノックしたけど返答がなかったから寝ているのかと
思いきや…
翔「ゆっくり…大丈夫、大丈夫…」
雅「…っ、けほっ…っ、んっ…けほっ…」
雅紀はまた、苦しんでいた。
看「失礼します。置いておきますね」
翔「ありがとう」
看護師さんが処置に必要なものをワゴンにのせて
持ってきてくれて。
翔が確認しながらテキパキと処置をしてくれる。
その間も苦しそうで…喘鳴だけが響く。
「雅紀、大丈夫だからね…」
雅「…っん…っ…けほっ…」
俺は、背中をさするくらいしかできないけど。
翔「よしよし…少し落ち着いてきたね」
雅「…ん」
翔「吸入しよう。口元に当ててあげてくれる？」
「ん、りょーかい」
翔から吸入器を受け取って雅紀の口元へ。
その間に翔はささっと片付けを済ませてる。
雅紀は、まだ呼吸が安定しなくて、眉間にシワを
寄せながらギュッと目を閉じているけど…
雅「…ん、んん…」
「あぁ…吸えない？…苦しい？」
だんだんと、首を左右に振って嫌がるようになって
きちゃって…
吸うのが辛いほど苦しいのかな…って心配になる。
でも翔が俺の耳元で「雅紀、これ苦手みたいでさ」
って教えてくれて。
なるほど…と納得。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
