3136.【2】 ページ36
［NO side］
雅「まさきが行く！
まさきが買う！！」
母「…笑」
さて、困ったことになった。笑
母親が智にお金を渡していたら、それを見ていた
雅紀が『自分がおつかいに行く』と言い出したのだ。
一丁前に首から下げるお財布を持ってきて…
雅「ここに入れて！まさきが行く！」
母「…」
こうなったら、雅紀がなかなか引かないのを母親も
智もよく分かっている。
でも、雅紀は母親と離れて、買い物に行ったことは
まだない。
智「僕、付いてってあげるよ！後ろから！」
母「そう？」
智「うん！雅紀に分からないように」
母「じゃあ、お願いしようかな」
智が気を利かせて、いいアイディアを出してくれて
いる間も、雅紀は靴下を履いたり、帽子を被ったりと
準備に夢中。笑
決めたら、物怖じせず真っ直ぐ突き進む子だから…
雅「いってくる！」
母「あ、待って雅紀！これ持っていって？」
雅「同じのください？」
母「そう！できる？」
雅「できる！！」
すっかりその気になっている雅紀の財布に、千円札を
入れ、手には折り紙のパッケージを持たせた。
折り紙といっても色々な種類があるから、万が一
雅紀がキラキラ折り紙が入っていないものを
選んでしまったら…と思ったからだ。
母「気を付けていってきてね！」
雅「うん！！」
100円ショップまでは歩道を一直線に歩いていけば
良いだけ。
信号もない。
それでも、雅紀を一人で行かせるのは心配だったから
智の申し出がとても有り難いと思った母親。
『いってきまーす！！』と、元気に家を飛び出して
行った雅紀を、智は急いで追いかけていってくれた。
普段はふにゃん…としていて、マイペースな智だけど
実はしっかり者だということを母は一番よく知って
いる。
智の小さな背中に向かって『ありがとう…
よろしくね』と、そっと伝えた。
智は雅紀に気付かれないくらい、少しだけ離れて
歩いていく。
雅「あ！ワンワン！！」
近「あら、まぁーちゃん！」
近所のおばさんと散歩中の犬に遭遇。
雅紀は道に座り込んで慣れた手つきで頭を撫でて
いる。
その頭をおばさんが撫でる。
基本人見知りの雅紀だけど、仲良くなった人には
自分から挨拶もできるし、お喋りも上手。
雅紀は近所の人から『まぁちゃん』と呼ばれて
可愛がられている。
雅「お買い物いくの！しょーにぃの折り紙かうの！」
近「えらいわね〜、気を付けてね！」
元はと言えば、自分で破いたくせに、得意気だ！笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
