3126.【雅にぃが末っ子だった頃】 ページ26
［智にぃside］
双子が産まれるまで十数年
我が家の末っ子として過ごしていた雅紀。
双子が産まれてから徐々に末っ子感は抜けて、今は
お兄ちゃんらしくなった雅紀だけど、たまにね
末っ子だった頃の雅紀を思い出すんだ…
雅「あーあ…
翔にぃが学校にいなくなったからつまんなーい！」
「…ふふ、まーた始まった！笑」
クラブ活動を終えて、夕方になってから帰宅した
雅紀は真っ先に、リビングで勉強する翔の元に
駆け寄っていく。
翔は4月から中学に上がり、俺と同じ中学に通い
始めた。
小6に進級した雅紀は、小学校に取り残されて
しまったってわけ。笑
友達がいないワケではないんだけどね。笑
学校で翔や俺を見つけると、場所を問わず「あ！！
翔にぃ！！智にぃ！！」って叫んで、手をブンブン
全力で振るような奴だから。
翔の友達も俺の友達も「あ、雅紀だ！笑」って、
すぐに覚えてくれたよね。
そんなんだから、俺が中学に入学した時も「あーあ…
寂しいなぁ」って素直に言ってたっけ。
でもその時は、まだ翔がいてくれたからね。
週に1回くらいは翔と下校してくる日もあるくらい
甘えて慕っていた。
だからこそ、一人だけ小学校で寂しいのかもね。
翔「そんな引っ付くなよ。笑」
雅「だってさ、今日の給食さ、翔ちゃんの大好きな
メニューだったんだよ？」
翔「…笑。だから？」
雅「だからさ、美味しかったよねーって前みたいに
分かち合いたいのにー！！」
雅紀の学校での楽しみといえば、給食と休み時間と
体育の授業。
そういえばよく「翔にぃ！明日の給食は〇〇だよ！」
って、報告して一緒に喜んでたっけね。
それができない寂しさもあるのかね。
母ちゃんは夕食の支度をしながら、甘えん坊の雅紀を
優しく微笑んで見守ってる。
雅紀は今のところ誰に対しても反抗心がないし
キラキラの笑顔で甘えていく。
特に翔にはそれがすごい。笑
憧れなんだろうな…って。
翔「宿題持ってこいよ。見てやるから」
雅「ほんとー？わーい、わーい！！」
翔「…笑」
翔もそんな雅紀が可愛くて仕方ないって感じでね。
難しくなってきて投げやりになってきた勉強を
よく見てやってるんだ。
放っておいたら宿題やらずに登校しちゃうような
奴だからって。笑
「あひゃ！寝ちゃった〜！」とか言い訳するらしい。
雅「翔ちゃーん！今日は算数と理科だよー」
翔「はいはい。準備して？」
雅「ちょっと待って〜！お菓子とジュース！」
騒がしいったらありゃしない。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
