3134.【5】 ページ34
［潤side］
トイレの失敗をした時、
俺にだと言いづらいかな…とか色々考えてしまい
なかなか部屋に顔を出せなかったんだけど。
翔にぃに「和が潤にあらし連れてきて欲しいって
言ってるんだけどー！」って呼ばれた。
「かずー、あらし連れてきたよー」
和「ありがと…じゅん…」
翔「ありがとな。ちょっと代わってもらっていい？」
「ん、分かった」
和は相変わらずベッドでぐったりしていて辛そうで
意識もフワフワしていてはっきりしない。
それでも、大好きなあらしのことを腕の中に
抱え込んだ時は、すごく嬉しそうな顔して目を
細めた。
あらしも、ここ数日は寂しそうだったから…
「よかったな、あらし…」
「クゥーン…」
和を気遣って、吠えることはなく鼻をスンスンと
鳴らすだけ。
少しでもラクになればと思って体をさすったりして
みるけれど、それにもほとんど反応を示さないくらい
今の和は体が辛いみたい。
これじゃあ、トイレどころではないよな…と納得。
途中、何度か兄貴たちが交代で様子を見にきてくれて
俺もトイレにいったりして和の傍で過ごした。
1時間ちょっとしてからかな…あらしが急にソワソワ
し出して。
「…ん？…どうした？」
「クゥーン…」
布団から抜け出して鼻を動かして、なにかを訴える。
その間も、和は眠ったままだったんだけど…
「あ…もしかして…。かず、ちょっと捲るよ…？」
「クゥーン…」
横から少しだけ布団を捲ったら案の定、下半身の
辺りが濡れているのが分かる。
あらしは犬だから、匂いを感じたんだね。
コールボタンを押したら、翔にぃと雅にぃが
きてくれた。
「…俺、出てようか？」
翔「すぐ済むから。いてやって？」
「ん、分かった」
あらしを抱っこして、窓際に避ける。
翔にぃが和の肩をトントン叩いて起こして。
その間にも雅にぃがパッパと和のズボンを脱がせて
いく。
和が泣いてしまって、しゃっくり上げながら翔にぃに
何かを訴えてる間にも、ホットタオルで体が拭かれ。
すごい連携プレー。
ベッドの半分に防水シーツが敷いてあるから
それをクルクル丸めたら、あっという間に完了。
翔「ほら、もう終わった」
雅「元通り〜！」
和「…っ、んっ…んくっ…」
ショックなのに変わりはないけど、これだけ何でも
ないことのように対応してもらえたら、気持ちは
かなりラクだろうな…と思う。
和も強くなるんだから、俺だって強くならなきゃ。
兄貴と和を見て、そんなことを思う。
END
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
