3123.【3】 ページ23
［翔にぃside］
ベッドに寝転んだ潤は
お腹をギュッと押さえて、苦しそうな表情。
ストレスからくるもので、仮病ではないんだと
分かるから…
「少し深めに呼吸してごらん？さすってやるから」
潤「…ん」
潤が手をどかすのを待って、そっとさする。
少しずつだけど体から力が抜けていく…
こういう時、なんて声を掛けてやったら
いいんだろう。
『大丈夫』なんて根拠はないし、潤からしたら
大丈夫ではないだろうし。
でも、悪いことをしたワケじゃないのは確かだし、
今回のことを誰かに責められたり、弄られたり
するのは違う。
引き目を感じで欲しくはないし、自信も失って
欲しくはない。
そう思うけど…
それをもし潤に伝えるとしても、もう少し時間が
経ってからかな…と思う。
今は受け止める余裕はないし、逆にストレスを
与えることになり兼ねない。
「…じゅん？…俺らの前では、無理しなくて
いいからな…」
潤「…ん」
結果、出てきた言葉はこれだった。
ありきたりかもしれないけど…
少しでも頼って欲しいし、心が潰れてしまう前に
助けを求めて欲しかったから。
潤「…お腹、痛い、よ…」
「ん、痛いよな…さすってるから大丈夫…」
甘えてきてくれて、ホッと一安心。
「仰向けになれそう？その方がラクだと思う」
潤「…ん」
膝を立てて仰向けの体制になるのを手伝って、
落ち着くまでしばらくお腹をさすっていたら…
小さくドアがノックされた後に、智にぃが遠慮がちに
部屋に入ってきた。
智「…どう？」
「…寝れたみたい。ちょっと熱も出てきたっぽい」
智「…そっか」
触れていた体が熱くなってきてる気がするんだ。
これもストレスの影響だろうけど…あんまり
上がらないといいな…と。
智「これからどうしようか…潤の気持ちを最優先で
ゆっくりでいいのかな…？」
「…そうだね、俺も同じこと考えてた。体調の回復を
待ってから、ゆっくり考えていけばいいのかな…？」
智「ん、そうだね」
色んなことに直面して、俺らも色々悩む。
同じ状況ってないし、気持ちもそれぞれだしね。
もちろん、俺のことに関しても、みんなが悩んで
くれることもあるしね。
みんなで悩んで最善策を見つけられたらいいなって
思うんだ。
その為の5人だと、いつも思ってるから。
その日の夕方…
智「学校ではどんな感じ？」
和「何人かね、クラスメイトが声掛けてくれたよ。
『体調どう？』って」
学校から帰宅した和に、とりあえず話を聞いてみた。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
